君のいる朝 14 【微グロ】 ページ18
そろそろと素足のまま医務室を出て、管制室へ向かう。途中、何人かの職員とすれ違った。
｢バーサーカーの狂化だ、どうしてこんな……！｣
狂化、という言葉はわからない。けれどバーサーカーが何を指すかは知っている。
Aは管制室へ飛び込み、さらに向こうのーーーーコフィンと呼ばれる部屋へ駆けた。
｢っ君、やめろ！！ 死ぬぞ！｣
ダ・ヴィンチの鋭い声に足がすくんだ。振り返る前に、部屋の中央に光の束が現れる。パァと、霧散し、それは人の形を象った。
｢ぁ……！｣
Aは、喉からちいさな悲鳴をあげる。白い床を、赤黒く染めて、立っているその人はーーーークー・フーリン【オルタ】。けれど、Aの知る彼はいま、なにか黒い殻の中にいる。
空っぽだ。
血の生々しいにおいを纏わせて、泣いているーーーーAにはそう見えた。
身体のあちこちに傷を負って、お腹には大きな、見覚えのある槍が刺さっている。猛獣につける鎖のように、冷たい拘束。彼は唸りをあげて抗っていた。
｢マスター、令呪だ！ 今すぐ狂化を止めろ！｣
キャスターが叫ぶ。事態は刻一刻を争った。
狂王は刺し貫いた槍を抜き取る。肉がえぐれ、臓�イ�破れ、血が噴き出す。
手にはまだ武器がある。離す気配もない。
このままでは、みんなが危険だ。
覚悟を決めたマスターは、息も絶え絶えになりながら身体中の魔力をかき集めた。
(ごめん、オルタ……！)
｢令呪をもって、命ーーーー｣
｢やめてっ！！！！｣
遮ったのは、悲痛な声だった。狂王とマスターとの間に駆け込んできたのは、ちいさな少女。狂王を庇うように手を広げて立った。
｢やめて、お願い、彼も苦しんでるの、おねがい……！｣
涙で揺らぐ幼い眼差しに、マスターの意思も揺らぐ。
｢退け！！ 全員殺す気か！！｣
キャスターの怒声にも、ランサーの眼にも、セイバーとセイバーのオルタの厳しい表情にも、Aは首を振った。
彼は、そんなことはしない。
｢……、｣
獣が唸る。Aは振り返り、ゆっくりと歩み寄る。
狂王の目はAを前にしても、未だ殺意は消えない。それどころか、満身創痍にも関わらず槍を構えた。今、狂戦士と化した彼には、目の前に立つものが敵だ。破壊衝動だけが突き動かす全て。
｢っ、たわけ……！！｣
キャスターはルーンを駆使しようと腕を構えたが、それをマスターの手がそっと降ろさせる。
(大丈夫、見守ろう)
彼女の目はそう告げていた。
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Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - 碧依さん» わわわわ感想ありがとうございます！！2度もいただいてもったいない……！は、発狂！そこまで萌えていただけて嬉しいです！いつも応援ありがとうございます、3部頑張ります！ (2018年1月11日 0時) (
レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - ありささん» はじめまして！感想ありがとうございます！1章から読んでいただけて嬉しいです！3章楽しみにしていただけている気持ちに答えられるよう頑張ります、応援ありがとうございます……！ (2018年1月10日 16時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
碧依(プロフ) - 第2部完結おめでとうございます！最後の方は超絶キュンキュンして悶えながら読んでました← もう心の中で発狂してました← 第3部も続くとのことで、とても嬉しいです！ 心待ちにしています！ これからも頑張って下さい！ (2018年1月10日 14時) (レス) id: e83e0a514a (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - はじめまして、一章から楽しく読ませていただいております！三章が凄く楽しみです！これからも頑張ってください！！ (2018年1月10日 13時) (レス) id: 5124bcd214 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - いよりさん» はじめまして！感想ありがとうございます！1章かは2章まで読んでいただけて嬉しいですありがとうございます……！3章もハラハラドキドキ、きゅんきゅん多めな展開を目指して頑張りますので、よろしくお願いします！ (2018年1月9日 21時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sandoriyon0000 | 作成日時：2017年12月13日 23時
