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君のいる朝 11 ページ15

「まぁ強いていえば、マスターの願いが叶えばそれでいい」

キャスターは木を投げ入れる。ばち、とまた火が爆ぜた。

「それじゃあ戦い損だよ」
「いいや?」

火色に灯る頬を、親指でなぞる。

「命をかけても誇れるマスターの願いが叶うなら本望だ」
「師匠……」

意思の強い瞳が僅かに見開かれる。ふ、と笑ってやって、冷たい頬を摘んだ。

「いっひゃっ!!」
「おい、チーズが切れたぞ」
「師匠はご飯抜き!!」
「はぁ?!」


声がここまで届く。オルタは地上を見下ろしながら眉を寄せた。

「うるせぇ……」

談笑の真ん中にはクー・フーリン【キャスター】。オルタ(反転)とは別物だが、基は同じ。己であって、己でない存在。
狂王がカルデアに召喚される以前から、マスターに付き従っていたと聞く。傍目にはわからないだろうが、ランサーあたりも気がついている。
キャスターはあのマスターに、心を定めていることを。いつか来る別れのあとも、マスターを見守るだろう。
キャスターの中にある感情の名前は、狂王にはわからない。だが、興味はある。ひとりの人間に全てを捧げる。それがどれだけ無意味で無謀かを知らぬキャスターではないだろうに、何がそこまで駆り立てるのか。

ーーーー或いは理解出来たなら、Aといると訪れる、不可解な感情の波も、ささいな変化も、理由が分かるようになるだろうか。

夜はまだはじまり。見張りということもあるが、眠りの気配は遠い。このぶんだと朝を待つ他ない。Aといると不思議と穏やかに意識がおちていくというのに。

今ごろ、Aはどう過ごしているだろうか。
医務室の広い寝台でひとり、膝を抱えてちいさくなっている姿が浮かぶ。
ひとりにしないでくれと泣いているAを、まだ狂王は鮮やかに記憶している。口ではどれだけちぐはぐなことを言おうと、あの涙が真実だ。
泣いていなければいいのだが。涙を拭ってやれない遠い距離が、どことなく苦い感情を呼んだ。

【ーーーー隙だらけだな】

ハッ、とオルタは顔を上げる。浮かぶ月に奔る赤い閃光。槍を咄嗟に横殴りに振るうも、凄まじい衝撃に襲われて、背中から地面に落下する。
もうもうと立ち上る土煙の中へ、容赦なく追撃が落とされ、森の闇を焼いた。

「オルタ!!」
「マスター、下がれ!!」

キャスターが腕を突き出し、向かおうとするマスターの足を鋭く留めた。セイバーのオルタはマスターの背を守る。

サーヴァント2騎は気配を探る。

ーーーー敵は、何処か。

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Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - 碧依さん» わわわわ感想ありがとうございます!!2度もいただいてもったいない……!は、発狂!そこまで萌えていただけて嬉しいです!いつも応援ありがとうございます、3部頑張ります! (2018年1月11日 0時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - ありささん» はじめまして!感想ありがとうございます!1章から読んでいただけて嬉しいです!3章楽しみにしていただけている気持ちに答えられるよう頑張ります、応援ありがとうございます……! (2018年1月10日 16時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
碧依(プロフ) - 第2部完結おめでとうございます!最後の方は超絶キュンキュンして悶えながら読んでました← もう心の中で発狂してました← 第3部も続くとのことで、とても嬉しいです! 心待ちにしています! これからも頑張って下さい! (2018年1月10日 14時) (レス) id: e83e0a514a (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - はじめまして、一章から楽しく読ませていただいております!三章が凄く楽しみです!これからも頑張ってください!! (2018年1月10日 13時) (レス) id: 5124bcd214 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - いよりさん» はじめまして!感想ありがとうございます!1章かは2章まで読んでいただけて嬉しいですありがとうございます……!3章もハラハラドキドキ、きゅんきゅん多めな展開を目指して頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年1月9日 21時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sandoriyon0000 | 作成日時:2017年12月13日 23時

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