Today is a good day… ページ7
「え？ええと……まあ、はい」
「ほう……名乗り遅れたね、私はルシウス・マルフォイ。以後お見知り置きを」
探るような視線を向けられて、なんだか居心地が悪い。
「ま、マルフォイさん……本日はお日柄もよく……」
パニックになってそんなことを言っていると、「うちのドラコがお世話になっているね。今から書店に向かうところなのだが、君もそちらへ？」と被せて言われた。
彼はドラコ・マルフォイのお父さんらしい。
「あっ、はい、そうです」
ではご一緒に、とすぐ近くの書店まで行くことに。
いやあ、これがもうものすごく気まずい。
何話すのが正解なの？これ。
結局沈黙したまま書店に着いた。
ドアを開けてくれたのでお礼を言って、中に入る。
すると丁度マルフォイがハリー達に喧嘩をふっかけているところだった。
ルシウスさんは私の脇をすり抜けていった。
「これドラコ、失礼をするでない」
マルフォイは脇に寄った。そして私をみつけて、言った。
「なんだ、居たのか。小さすぎて見えなかったよ。悪いね」
「誰がチビだってぇ？頭と髪が同化してて禿げてるかと思ったよ、Mr.ドラコ。いい加減髪型変えたら？」
「ふん、余計なお世話だ。君こそ身長を底の厚い靴でも履いて盛ったらどうだ？Ms.A？」
キッと睨み合い、フンッと私は彼から顔を背けて先程からルシウスさんと話しているハリーたちに目をやった。
「“名を恐れればその人をも恐れる”」
ハーマイオニーが私の前に立って言った。
「そういう君はMs.グレンジャーだね？」
ルシウスさんはドラコに目をやった。隣で頷く気配がする。
「ドラコから聞いている。ご両親のこともね。マグルだそうだな？」
ハーマイオニーは答えない。
「で、こちらの赤毛に＿＿ぽかんとした表情。擦り切れた……お下がりの教科書」
ルシウスさんはジニーの鍋から教科書を取った。
「ウィーズリー家の子だな」
「みんな、外に出ていよう」
後ろからアーサーさんがやってきた。
「おや、父親のご登場だ」
「ルシウス」
「役所は忙しいらしいですな、抜き打ち調査続きで。残業代は出るのでしょうな？この様子では、どうもそうではないらしいが…。魔法使いの面汚しの仕事をしてるというのに、ろくに給料ももらえないのではねぇ。」
「＿マグルと付き合うとは。まだ落ちぶれ足りないようだな。では、また役所で」
そう言ってルシウスさんはジニーの鍋に冊子を入れてドラコと共に去っていった。
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作者名：そぼく | 作成日時：2023年3月27日 2時
