【HP】蛇寮の眠り姫、ここにあり Ⅱ (ページ21)

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duel club ページ21

「生徒にあの術を見せたのは素晴らしい思いつきでしたよ、先生。しかし、やることがあまりにも見え透いていましたね。止めようと思えば簡単に止められたでしょう。」

ロックハート先生は言い訳としか言えない文章を並べ立てて何故か胸を張った。

「私、この人怖い……スーパーポジティブが過ぎる……」

ぶるっと身震いすると、ソコロは「そうかしら？そんなところも憧れだわ。」と頬に手を添えて、うっとりしていた。

「まずは生徒達に非友好的な術の防ぎ方を教えるのが賢明ではないでしょうかね。」

スネイプ先生は嫌味に笑った。

「おっしゃる通りですな。」

ロックハート先生はその嫌味に気づいていないようで、悪びれる様子もなく頷いた。

「それでは各自ペアを組んで実際にやってみましょう！」

ソコロは元々違う子と約束をしていたみたいで、その子の元へ行ってしまった。

私はソコロ以外のスリザリン生とはあまり馴れ合っていないから、ハーマイオニーの所にでも……と考えていると、後ろから肩をぽんと叩かれた。

「えっと……セオドール・ノット？」

目の前の茶髪のひょろりとした、スリザリン生の名前を呼ぶと、「君、組む相手がいないんだろ？」とニヤリと笑った。

「そうだけど、冷やかし？そういうのは面倒臭いからお断り」

ジト、と睨みつけるとノットはやれやれとため息を着いた。

「組んでやってもいいって言ってるんだよ」

どうやら早とちりして勝手に勘違いしていたらしい。途端に申し訳なくなって縮こまった。

「ああ、そういうこと……なら、お願いします」

ペコッと頭を下げると、ノットは「ん」と素っ気なく頷いた。

ーーー

向かい合って、お辞儀、お互いに少し距離をとる。さっき先生方がやったやり方に倣って杖を構えた。

もう周りもチラホラと実践を始めているようで、ぱちぱちと光線が飛び交っていた。

「ワン、ツー、スリー……」

ノットが杖を構えたままカウントした。
ええと、さっきスネイプ先生が唱えた呪文は……

「エクスペリアームス(武器よ去れ)！」

「インペディメンタ(妨害せよ)！」

両者の声が重なって、杖先から光線が出た。
ノットの杖は吹き飛ぶのと、私の体の動きが鈍くなるのは同時だった。

ノットはお手上げだというように両手を上げて、「参ったよ」と言った。

一応武器を奪ったのは私なので、勝敗的には私の勝ちらしい。呪文のせいでまだ少し動きにくい私は油の切れたブリキ人形のように歩き出した。