青色の王子は黄色のお姫様2

59 -玲於Side- ページ9

Aさんと同じマンションと言うことが発覚してから少し静かな車内でポツポツ会話が増える。

Aさんは近場のスーパーは何処が安いとか、裏手に美味しいパン屋さんがあるとか。
俺は俺で近場にある良いセレクトショップとかスポーツ店の場所、おすすめのランニングコースとかを説明する。


『玲於君ご近所よく知ってるねー。いつ頃から住んでるの？』

玲於「こっちに上京して来た時からです。」

『あ、じゃあ玲於君の方が先輩だ。』


自分は最近引っ越したんだー。って言うAさん。

これは、もしかして…チャンスじゃないか？
バクバク、速まる心臓を少し押さえながら俺は意を決してAさんに一言を告げた。


玲於「も、もし良かったら今度の休みにでも一緒に近所とか、散策します？」


上擦りそうな声を必死で抑えて散策の提案をしてみる。
俺の方が近所知ってるし、って小さな声で捕捉すればAさんが少しびっくりした顔で俺を見てる。

う、上からの物言い過ぎたか？！
ってか、そもそも急に2人で出掛けようとかがっつき過ぎたか？！


『本当？凄い助かる！一人だとつまんないし散策出来てなかったんだー。』


って言って喜ぶAさん。
俺はAさんにバレないように小さくガッツポーズ。

それからの話は早くて2週間後の日曜日に互いが休みと分かり、約束を取り付けた。
俺が午前中にダンスレッスンが入ってるから午後からだけど。

でも、これって、2人っきりで出掛ける訳じゃん。
そ、それって…で、デートじゃん。

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