青色の王子は黄色のお姫様2

64 -主人公Side- ページ14

その後、あれやこれや見てると気に入ったジャケットを見つけたのか
臣さんが店長に話しかけてから試着室に入った。

あらかた店内を見終わって暇になったので、大人しく試着室前の椅子に座って臣さんが
出てくるのを待ってると近くにいた店長がくすくす笑ってるのが見えた。


『どうされました、店長？』

「いや、A君が臣君待ってる忠犬に見えちゃって…」

『失礼な！臣さんみたいな横暴な飼い主嫌ですよ。』

「あ、怒るのそっちなんだ。笑
　でも、その割には嬉しそうに臣君の洋服選んでた様に見えたよ？」

『それは…誉められたからちょっと嬉しかっただけです。』


だって、臣さん自分が持ってきたシャツもパンツもちゃんとカゴに入れてくれたんですよ。
って言えば更に爆笑する店長。
くそう、ちょび髭店長め！

そう思ってると、着替えた臣さんが試着室から出てきた。


広臣「俺もそんな駄犬嫌ですよ、店長。」


誰が駄犬っすか！って言おうと思ったけど試着室から出てきた臣さんは自分が渡した
シャツとパンツに自分で見つけたジャケットを羽織ってる。

自分に、どう？って聞く臣さん。
…自分で選んだけど、…本当に似合ってるなこの人。


広臣「どう、A。」

『ムカつくくらい似合います。』

広臣「ムカつくってなんだよ。笑」

「良いじゃん、A君。服に無頓着って言う割にセンス良いよ。」

『誉め、られ…た？』

広臣「誉めてる、誉めてる。」


んじゃ、これ買いますね。って満足げな顔でまた試着室に戻る臣さん。
やだ、この人値札見たんだろうか。

とか思ってると店長に良かったねー、A君。って言われた。
…犬扱いやめろ、ちょび髭店長め！

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