１回しか ページ37
折角外出したんだし、帰る前にちょっと夕日を見て行こうと言うことになり、公園でもなんでもないが、道中の展望台に寄ってみる
普段もっと街の中にいるからか、都会にしては静かで懐かしい気持ちになる
その静けさを先に破ったのは勝己だった
ちょっと気まずそうでしょぼんとした顔で口を開く
「…轟とは何でもなかったんかよ」
最近の勝己は高校の時のイメージや出会った頃に比べて感情がコロコロと変わる感じがする
それが全て顔に出てしまうところが彼らしい
犬みたいだ
『焦凍は従兄弟だよ』
「は？」
口をあんぐり開ける勝己はそのまま赤くなった顔を腕で隠し「焦ったー」と髪をかきあげる
そのまま、また2人の間を静寂が包んだ
、
、
「おい」
またもや静寂を破るのは勝己だ
でも今度は私にちゃんと向き直り真剣な顔をしている
つられて私も勝己に向き直る
『なに？』
「1度しか言わねえからちゃんと聞け」
、
、
、
「お前を他のやつに渡したくない」
、
、
遠回りで、でも言いたいことがちゃんと伝わる言葉
結論を得ない所に若干のむず痒さが残るが、私の心を一瞬で満たすのには充分過ぎた
きっと、心のどこかでこの言葉を、この時を待っていたのだと悟る
、
、
「お前が好きだ」
、
、
心臓が止まるかってくらい五月蝿い
、
『……私の方が大好きだし』
、
思うように開かないノドからやっと絞り出た言葉はそんな言葉だったが
、
その言葉ですら勝己の心を満たすには充分だったみたいだ
、
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cherry*(プロフ) - やなさん» ありがとうこざいます😭かっちゃんほんと罪🤦♀️🤦♀️ (2021年10月22日 7時) (
レス) id: 1c3e9b003e (このIDを非表示/違反報告)
やな - 続きが気になる♡いつもと違う一面のかっちゃん好きです！！ (2021年10月14日 8時) (レス) id: 6c1718e0e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cherry* | 作成日時：2021年9月13日 22時
