否定 ページ10
誰か悪いか論争を始めるしゆんさんと胡桃さんを見ながら、私は深呼吸をした。
腕を組みながら「マジ最悪なんだけど」と不機嫌そうに呟く胡桃さんに、
しゆんさんは彼女の肩を掴んで「やめろって」と制止の声を上げていた。
「子供は早く消えてくれない?不愉快なんだけど」
『嫌です』
「はぁ!?大人の話し合いに子供が首を突っ込まないでくれる!?」
『子供なのはどっちですか?
自分の意見を押し通して相手に言うことを聞かせるのが大人なんですか?』
「あ?」と睨みを利かせる胡桃さんに、私は一生懸命目を合わせた。絶対に逸らしちゃダメだ。
『胡桃さんは、しゆんさんのことが好きなんですよね?』
「……そうだよ。初めて出会ったあの日からずっと好きなんだ」
『どんなきっかけでしゆんさんのことが好きになったのか、お聞きししてもいいですか?』
”何で話さなきゃいけないんだよ”ってキレられるかなって思ったけど、
意外にも胡桃さんはあっさりと話してくれた。
「……初めて、胡桃という存在を認めてくれた人なんだよ。
好きなものも何もかも否定された私が、しゆんだけは肯定してくれた。
それが営業だってことぐらい私も分かってるけど。それでも、好きで好きで堪らないんだ」
この時、初めて胡桃さんが”恋する乙女”に見えた。
ー−−伝え方を間違えちゃっただけで、彼女も普通の女の子なんだ。そのことを、実感した。
好きな人に認めてもらいたくて。誰にも盗られたくなくて。
「だから、しゆんは誰にも渡さない」
彼女の声が響き、辺りは静まり返った。落ちる直前の夕日が胡桃さんを照らしていた。
彼女の顔はどこか悲しそうで、思い通りに事が運んでるはずなのに表情はモヤモヤしていた。
『＿＿＿胡桃さんを”肯定”してくれた人を、今度は胡桃さんが”否定”してしまうんですか?』
「え?」
『否定され続けたから苦しんで、やっと肯定してくれる人に出会えて救われたのに。
今は、胡桃さんが”否定する側”になってしまってますね』
「違う!!そんなつもりじゃ……!」
胡桃さんは焦った声で私の言葉を止めた。
私は首を横に振り、「胡桃さんの在り方は、しゆんさんのことを否定してますよ」と続けた。
『相手の思いを封じさせて自分の言うことを聞かせてるんですから。それは立派な否定です。
……これは、本当に胡桃さんがしたかったことなのでしょうか』
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ミク - 雨萩さくりさん» 了解です！ (2月27日 20時) (
レス) @page19 id: 4c545ca105 (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - ミクさん» もし可能なのであればお願いしたいです……!! (2月27日 19時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 雨萩さくりさん» いえいえ！じゃあ通報したほうがいいですか？ (2月27日 17時) (レス) @page18 id: 4c545ca105 (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - ミクさん» コメントありがとうございます。今サイトを確認してみたところ、盗作だということが判明致しました。ご報告してくださりありがとうございました! (2月26日 21時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
ミク - いつも楽しく読んでます！ところで主さんはプリ小説をやっていますか？プリ小説で同じタイトル、ヒロインの名前が同じなのでそうなのかなって思いまして… (2月26日 20時) (レス) @page18 id: 4c545ca105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2024年10月16日 8時
