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君は私の猫 2 ページ8

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次の動画に着手するべきか否か。

今日やらなければいけない作業は終わっていて、椅子を左右に回しながら逡巡していた時だった。


向こうの方から、黄昏時に誰何(すいか)せずともわかる、この耳が敏感に拾うようになった人の声がして、ピタリと動きが止まる。

それから少しして、目の前の廊下をAさんが通り過ぎていった。


ファイルに乗っかっていたカーソルをデスクトップの左上に移動させ、パソコンをシャットダウンする。

我ながら単純だな、と思わず苦笑して立ち上がった。


部屋にいる人たちは皆、ヘッドホンやらイヤホンやらをつけて画面に集中しているからか、音もなく席を立つ私に気づく人は少ない。
目の前の席に座っていた乾さんだけが「帰るの?」と言いたげに片耳からイヤホンを外した。


「今日仕上げた動画、仮提出フォルダに入ってるので。また時間ある時に確認お願いします」

「ん。とむの編集はもうそんな構うとこないと思うけど」

「そんなそんな。……すみません、お先に失礼します」

「おつかれ」


私が頭を下げると、軽く手を上げた乾さんは、再びイヤホンをして自分の世界に入っていった。

だから別に、私が部屋を出た後、玄関とは逆の休憩室の方へ曲がったとて、気づく人は居ないのだ。

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作品ジャンル:恋愛
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じばくスイッチ(プロフ) - 葉華さん» お読み頂き、コメントまでありがとうございます。tmさんがトリリンガルと知って衝動書きしたものなのであまりキャラクターを捉えきれていないと思いますが、そんな風に言ってくださる方のお陰で書いてよかったと思う事が出来ます。こちらこそ、ありがとうございます。 (1月21日 20時) (レス) id: 3711322760 (このIDを非表示/違反報告)
葉華(プロフ) - あとがきを読んで、とても考えて作られているんだと驚きました。tmさんの夢小説が無いに等しい中、この作品を見つけられて幸せです。面白い作品をありがとうございます。 (1月18日 20時) (レス) @page12 id: 799c11267c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じばくスイッチ | 作成日時:2022年4月19日 0時

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