第一話『将来巫女とかいやや』 ページ2
『マジで神社とか無理』
「...あーもうそれ何回目だよ」
『健人くんがつーめーたーい』
「知らね」
ハッ、まさか健人くん反抗期...!?とニヤニヤ言えば、アホかと頭を小突かれる。
私ははぁ、とため息をつきながら歩道の石ころを蹴った。薄暗い視界の中、石ころが歩道の隅にコロコロと転がるのが見える。
いつもの幼馴染みの健人と学校からの帰り道。すると、健人は「で?」と私に聞き返す。
「何でそんな神社嫌いなんだよ。自分の家が神社って、憧れる人もいると思うけど」
『はぁ?何言ってんの!?毎日毎日帰ったら神社の中を拭き掃除に掃き掃除、おまけに祈祷やら舞や
ら踊らないといけないし...可愛い巫女装束着れるだけと思ったら、大間違いだよ!!』
「思った事あるんだな」
というか、マジで何でこんなピチピチのじぇーけー無償で働かせんだよ。ブラック企業か。
ハッ、もしかして神社って隠れたブラック企業なの...!?神社から国民を守る会を作らねば...。
『ほら、男女が入れ替わる有名な映画あるじゃん』
「あー...大ヒットした」
『私、あのヒロインにすんごく共感なんだよね』
「ヒロイン...神社の巫女さんだっけ」
あのヒロインが口噛み酒をいやいや作って、クラスメイトに笑われるところ。めっちゃ泣いた。
だって感動しかないじゃん...。望んでもいない巫女やって、周りの反応に耐えながら成長していく感動ストーリー...まさにあれこそ超名作...。
...あれ、あの映画って結局どういう話なんだっけ。謎だ。
『...あーもうこんな家いややぁぁぁー!!将来巫女とかいややぁぁぁー!!
来世はお金持ちのプリンセスにしてくださーい!!!』
「はぁ...あほな人やなぁ」
『ノリいいじゃん』
「本心を言った」
『てめー口噛み酒飲ませたろか』
歩道を歩いて、ついた我が家の天宮神社の鳥居の前で叫べは、冷静にツッコむ健人。
そんなんだからモテないんじゃん...と睨めば、余計なお世話だと一言。すると、健人は「まぁ、」と私の頭を軽く撫でた。
「頑張れよ」
『...ん、』
「じゃあな」
天宮神社のお隣が、健人の家だ。フッと笑みを浮かべた後、てくてくと自分の家へと歩いて行く健人を見送る。
...さぁ、私も帰
『...あァァァァァァ!!!』
「わっ!!?今度は何だよ!?」
『鞄学校に忘れた!!』
「今まで何を持ってたんだ!!」
『...鞄の魂?』
「もはやホラー」
...こんな生活がずっと続くと思ってた。
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みるく - 藻さん» いつも楽しみに......!?ありがとうございますっ、感謝感激です!!ですね、もしかしたらそうかも......(( でも無惨様がラーメン食べてるとこ想像したら...笑 (2020年5月1日 22時) (レス) id: e3ab556303 (このIDを非表示/違反報告)
藻(プロフ) - みるくさん» いつも更新楽しみにしてますよ!!下弦に探させたんですか………!!?ないのに……!?相変わらず人使い荒いですね…そんなとこも好きです、見つかんなかったから下弦解体しちゃったのか………? (2020年4月30日 21時) (レス) id: e085f6cc78 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 藻さん» そうです無惨様は悪くない(作者)!!本当にいつも読んでくださってありがとうございます、後日無惨様はらーめんとやらを下弦達に探させたとか何とか......。 (2020年4月30日 20時) (レス) id: e3ab556303 (このIDを非表示/違反報告)
藻(プロフ) - ら、らーめんとはなんだ……!!!?…………そうか、大正時代にラーメンないですもんね!!無惨様は悪くない!! (2020年4月30日 20時) (レス) id: e085f6cc78 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 藻さん» 分かってくださった方がいた(盛大なネタバレ)!!いや本当にありがとうございます、誰やねんこの人とか思われたらどうしようかと思ってました......。パワハラ会議ご本人様々じゃないですか...あかん......(下弦風)。 (2020年4月30日 19時) (レス) id: e3ab556303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるく | 作成日時:2020年3月31日 13時