【銀魂】桜なんて可愛いモンじゃねェ

第七十六訓 ページ27

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「ってぇな…」



そう言って隣の馬鹿は頭をさすっている
…頭というよりはたった今できた大きなタンコブなんだけどね



「いや、支離滅裂すぎて意味が分からなかったから
　おかしくなったんだなぁコイツ、で壊れたテレビ方式でちょっと……ね？」


銀「なにが「…ね？」だよ。お前の場合それで済むレベルじゃねぇだろうが」



目尻に少しの涙を浮かべ、先ほどよりは無駄に元気そう。
しかし、とても恨めし気にこちらを見てくる。

でも「まぁ銀時のせいでは？」と思っているので悪いことをした気がしない



「というか、何がどうしてそういう発想に至ったわけ
　事と次第によっては医者に見せるか張り倒すか、その他諸々のパターンね。」

銀「その他の方が怖いって何。」

銀「単純に顔(ツラ)とか見た目だけはその辺の遊女よりイケるなーくらいなモンだよ」

「おい、シレッと「だけ」を強調しただろ」



貶されているのか、褒められているのかイマイチ分からない発言に
思わず握り拳を作り顔の横に持ってくると「タンマ」と連呼される

まぁ？顔だけは無駄に整って成長したと自分でも自覚ありますけどね
あと、戦うときには迷惑でしかないが「女として」の体格にも恵まれた。


わー…そう考えると遊女とか芸子とかに転職した方がいいかも、とか思ってしまう




「お？何の話してんだよ、お前ら」


背後から声が聞こえて振り返るとよく知る顔が２つ


「あれ？晋助？なんで？ それに岡本も。」

「あ、今回は惜しい、橋本な？」



モノっすごく不機嫌な顔をしてコチラに目を合わせようとしない晋助

そしてもう名前を間違えてもオーバーリアクションをしなくなった同門の橋本


橋本は花街に向かう際、私が辰馬に引き摺られていくのを眺めつつ
「気が向いたら後から行くわー」と言っていたので今ここにいるのも分かる

が、晋助は何でここに？
女買ってたよね？切り上げるの早くない？


私の疑問は表情に出ていたのか、橋本は「あー…」と声を漏らし
苦笑いを浮かべながら私の名前を呼んで手招きをした

無言でお互いジト目で睨みあう晋助と銀時を横目に
少し離れたところに立つ橋本の方に寄る



「なに？」

「いや、晋助の奴のこと気になってんのかなぁと」

「うん、知ってんの？」

「あぁ、アイツ買った女と話が盛り上がんなくて切り上げたんだと」


「は、何その金の無駄遣い」

「いや、そっち？」




だって晋助も「顔は良いけど」の部類だから納得してるし…

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