醜女じゃない!! ページ7
みるみるうちに、二人のお椀からうどんが消えていく。
「ごちそうさまでした!!」
「凄く美味しかったです!!」
うどん完食。こんな勢いで何かを食べたのは初めてだ。
一方の店主は、
「……分かればいいんだよ、分かれば!!」
と嬉しそうに送り出してくれた。
手を振って別れ、先程の女性の家に向かう。
「ごめんな、禰豆子。置き去りにして……」
炭治郎が申し訳なさそうに眉を下げる。
だが、手を繋いでいた禰豆子にぐっと引き止められ、歩みは強制的に止められた。
「あっ……」
禰豆子が睨む先には、先程の女性の後ろにいた男の人がいた。
禰豆子を迎えにいくのを待っていてくれたらしい。
そして相変わらず無愛想な表情である。
「待っててくれたんですか?俺は、匂いを辿れるのに……」
「目くらましの術をかけている場所にいるんだ、辿れるものか。それより──」
男は、禰豆子を指差した。
「鬼じゃないかその女は。しかも醜女だ」
醜女。その単語に、しばし一同の時が止まる。
(醜女……しこめ……醜い女……禰豆子ちゃんが……醜い女……?)
「どこがよ!!可愛いじゃない!!」
気付いた時には、Aは大声を張り上げていた。
「そうだ、醜女の筈ないだろう!!よく見てみろこの顔立ちを!町でも評判の美人だったぞ禰豆子は!!」
ぎゃーぎゃーと騒ぐ二人に、男はうるさそうに顔をしかめた。
「うるさい、黙れ。お前だっていい勝負の醜女だろう」
今回男が指差したのは、Aだった。
またも一瞬場が静まるが、その沈黙は炭治郎の大声によって破られた。
「どこがだ!!いい勝負の美人と言ってくれ!!」
「炭治郎、私はいいから!」
「よくない!!もっと自分の顔立ちに自信を持ってくれ!!」
「行くぞ」
このやり取りに飽きたのか、男がスッと歩き始める。
「いや、行くけれども!醜女は違うだろ絶対!もう少し明るい所で見てくれ、ちょっとあっちの方で!!」
だがそんな炭治郎の訴えを聞いてくれるほど男は素直では無いらしく、気にする素振りも見せずに慣れた足取りで、女性の家に向かった。
『禰豆子とAは醜女じゃない!!』『禰豆子ちゃん可愛いでしょちゃんと見て!!』などと喚きつつ、一行は洋式な建物に到着した。
入り口の上には、謎の札が留められている。
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ヒメアミ(プロフ) - 月の舞さん» お待たせしました!応援ありがとうございます、これからも頑張ります!! (2021年8月19日 21時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ヒメアミさん» 更新待ってました!これからも頑張ってください、応援してます! (2021年8月19日 20時) (レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - ちょこぱふぇ♪さん» コメントありがとうございます! 褒め上手すぎませんか!?とっても嬉しいです……!!読みやすいと言っていただき安心しました!応援ありがとうございます、楽しんでいただけるよう引き続き頑張ります!! (2021年8月6日 12時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱふぇ♪(プロフ) - 初コメ失礼します!とても読みやすくて内容がスッと入ってきました!こんな小説初めてです!とても応援してます!主さんのペースで頑張って下さい!!!次のお話も楽しみにしてます! (2021年8月6日 1時) (レス) id: 92821f8356 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - 黒魔霊歌さん» 初めまして!本当ですか!?読み返していただきありがとうございます……!楽しんでいただけて良かったです! イラスト可愛いですよね!応援とても嬉しいです!更新頑張りますね! (2021年8月5日 22時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒメアミ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HIMEHP/
作成日時:2021年1月21日 21時