9 ページ11
｢ジュンコちゃ〜ん？｣
どこを探してもいない毒蛇のジュンコ探しに疲弊しきっている様子の霞。
しかし引き受けてしまったからには、と気を取り直して、まだ探していない場所を考え直す。
学園近くの草むらは、生物委員会や他の忍たまたちも協力して一通り探した…
裏山は上級生が中心に探しているらしい。
因みに、学園付近を探しているのは下級生のみで、"見落としもあるかもしれないから"と自分が学園に配置された。
そのため、あまり遠くを探すのも良くない。
となると、残す場所は必然的に……
｢この校庭に開きまくってる、大量の落とし穴…｣
もちろん落とし穴の大半は土が被せられていて見えなくなっているが、霞は穴の近くに置かれた目印を見逃さなかった。
可能性は低いが、探してみる価値はありそうだ。
霞は近くの落とし穴をつつき、土を全て落としていく。
ジュンコちゃんはどこかと、中が見えるようになった落とし穴の中を覗こうとした時、
｢ちょっと、何してるんですか｣
怒りを含んだ声で声をかけられた。
驚いて振り向くと、踏鋤を持った四年生。
｢あ、貴方は…？｣
｢僕は四年い組の綾部喜八郎です。…んで、何してるんですか｣
かなり怪しまれているようだ。
霞は弁解しようと口を開く。
｢今、毒蛇のジュンコちゃん探しを頼まれておりまして｣
｢…あぁ、そういえば、中にいる時上が騒がしかったかも｣
綾部は、あれは毒蛇探しだったのかと勝手に納得したあと、すぐにこちらに向き直った。
顔こそ無表情だが、目が完全に怒っている。
｢だからって、落とし穴をわざわざつついて土を全部落としちゃうなんて…そこまでするくらいなら落ちてくれたっていいじゃないですか｣
｢す、すみません…？…この大量の落とし穴は綾部さんが作ったものなんですね｣
全く違和感がなくて凄い、と褒めて逃れようとしたら彼は小首をかしげた。
｢確かに、学園内にある落とし穴の大半は僕が作ってますけどぉ……貴方が掘り起こしたのはこのトシちゃん4号だけですよね。どうしてこれの他にも沢山あると？｣
学園に来たばかりで何も知らないはずなのに、と不思議そうにする綾部に霞は答える。
｢だって、目印が置かれているじゃありませんか｣
｢…なるほどね。切谷さんでしたっけ。良ければ今掘ってる最中の穴に来ます？｣
｢え、それはどうかな｣
｢どうぞどうぞ〜｣
その呑気な口調に流されるように、霞は穴の中に案内されていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
げんぢ(プロフ) - こよかさん» お忙しい中返信ありがとうございます!そうなんですか!とっても楽しみです~!😢♡無理なさらず主さんのペースで更新していただければうれしいです🙌🏻 (2023年1月23日 6時) (
レス) id: c90bc7c72b (このIDを非表示/違反報告)
こよか(プロフ) - ひかるげんぢさん» ありがとうございます〜！！思ったより忙しくて中々更新できてませんが、そろそろ続きを書こうと思ってますのでぜひぜひ！🥰 (2023年1月23日 4時) (レス) id: ff286fcc14 (このIDを非表示/違反報告)
ひかるげんぢ(プロフ) - すっごく内容がどタイプでした!続き楽しみに待ってます( ˊᵕˋ* )♩ (2023年1月17日 23時) (レス) @page19 id: c90bc7c72b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こよか | 作成日時：2022年11月7日 1時
