2.誘惑に仕掛けられた罠は ページ4
「なんやその格好〜!パンプキンみたいで美味そう〜!」
「えっ、ええっ!?」
今度こそ聞き間違いじゃない。
ハッキリとこの人は言った。大声で思いっきり叫んでいる。
けれど、それが何だか危ないような感じには聞き取れなかった。
少年がパンプキンに似た格好の私を見て、ただ単にパンプキンが美味そうだ、と言ってるような。そんな感じだ。
だから、女性に対して美味そうだ、とかそんな言葉の綾からのものでは無い。
「あー……コイツ来たし、俺ちょっと向こう行っとくわ」
「あの!貴方のお名前は?本当に何から何までありがとうございます!」
「……うらた。まだまだここに居るだろうしいいよ別にお礼なんて」
視線を泳がせて、戻す。
少し口角を上げて振り返りざまにヒラリと手を振る姿が様になる。
イケメンはやはり何をしていても画になる。
「なぁなぁ、そのキャンディ美味しい?」
「はい。凄く甘くて美味しいです!」
「良かったぁ〜!それならもっと食べてええからな〜!」
「貴方は食べないんですか?」
「いや、これは客人用やしええよ。美味しそうに食べてる姿見るだけでじゅーぶん!」
犬のしっぽが生えていたらブンブンと振られているのだろうなぁ、と安易に想像がつく。それほどにまで、この人の愛嬌は可愛らしいものだ。
すると、そんな笑顔が段々と影になっていくのが分かる。
「そろそろ身体に力入らんくなってるんとちゃう?」
え、と口を開いた時にはガシャン!と派手な音を立てて紅茶の入っていたティーカップを派手にテーブルに落としてしまった。
幸いなことに割れてはいなかったが、その中身を盛大にぶちまけてしまっていた。
「ぁ、え、」
手足にも、身体にもどこにも力が入らない。
何だ、これ。
口を開いて喋ることがやっとで、かと言って意識が飛びそうなことも無い。
「これなぁ、うらさんが作った筋肉弛緩剤入りの紅茶やねん。キャンディにもちゃあんと入れてあんねやで?気付かんかったやろ?」
「なんで、なんで?嫌だ、なんでこんな事するの?」
「何で?別になんでもええやん?この館に迷い込んだ時点で君は帰られへんねんからさ」
「嘘、いや、いやだ、やだやだやだ、来ないで、やめて!」
嘲笑うかのような、加虐性のある笑みを向けてゆっくり私に近寄って来た。
服の上から、腹、胸元、鎖骨をつつつ、となぞるその手は、首の左側で止まった。
怖くてガチガチと奥歯を鳴らすことしか出来ない私に彼は更に昂ったかのような笑みを見せた。
。。。
高評価くれると嬉しいです
更新頑張れるんです
お願いします!!!
1326人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2021年6月8日 18時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - 皇咲鈴音さん» びっくりしました誰かと思いました笑 みかんさんありがとうございます!本当嬉しいです大好きです(;;) (2020年10月28日 23時) (レス) id: 9beb0497a0 (このIDを非表示/違反報告)
皇咲鈴音(プロフ) - すごい名前になってますがTwitterのみかんです( めっちゃめっちゃ内容好きです!! (2020年10月28日 22時) (レス) id: 72e21fad30 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - 物語の構成が好みすぎました!!更新おまちしております!!! (2020年3月27日 16時) (レス) id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - nanaseさん» そのように言って頂き嬉しいです…!コメントありがとうございます!更新頑張ります…! (2020年3月8日 6時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鎖座波 | 作者ホームページ:もう既に血が足りない
作成日時:2019年10月19日 15時