バレンタインスペシャル2 ページ35
「休憩入ります。」
スタッフさんがそう言うと一気に力が抜ける。
他の方はトイレに行ったりしているので、
今のうちに渡しに行こう。
そう思い、チョコを取り出してから辺りを見渡す。
加賀美さんと剣持さんは居らず、スタジオから出た。
少し歩くと、加賀美さんを見つけた。
『加賀美さん!』
「……Aさん、?」
『今お時間大丈夫ですか?』
「はい、平気ですよ。」
『えっと、…』
静寂が私に恥ずかしさを与える。
『チョコ、です。』
『バレンタインなので…。』
「私にですか?」
『はい、そうです。』
チラッと見ると、加賀美さんは手で口を抑えていた。
なにかまずいことでもあったのだろうか。
『チョコ…好きじゃないですか?』
「いっ!!いえ、むしろ大好きです!」
「心配させてしまってすみません。」
「Aさんが下さると思わなくて…。」
少し頬が赤く染まっていて、嬉しくなる。
『なら、良かったです…。』
「本当にとても嬉しいです。」
「これで後半の撮影頑張れます。」
『はい笑、頑張りましょう。』
そろそろ休憩も終わるので、一緒にスタジオに戻る。
その間もずっと嬉しそうにしていた。
「お返しは、精一杯させて頂きます。」
『高価なものは受け取れませんからね?』
「はい…笑」
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撮影は終了し、最後まで面白かった。
後は剣持さんに渡すのみとなった。
スタッフやカメラマンが帰っていくのを見て、
私は剣持さんの元へ向かった。
『……剣持さん。』
『い、今!少しお時間頂けませんか?』
「?大丈夫ですよ。」
甘いの好きなのは知っているが、チョコはどうだろうか。
「では、少し場所を移しませんか?」
『え?…あ、是非。』
配慮してくれたのだろうか?
だって不破さんずっとこっち見てくる…。
スタジオから出て、人気のない所で止まる。
「で、どうしたんですか?」
『…えと、今日何の日か知ってますか?』
知らないなんてことは無いとは思うけど。
彼は私から目を逸らして黙り込む。
少しすると、目が合う。
「バレンタイン…ですか?」
『剣持さんに渡したくて。』
そう言うと彼の耳が赤くなっていく、じわじわと。
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エス兎(プロフ) - 蜜柑缶詰さん» 遅すぎる返信お許しください。優しいコメント本当にありがとうございます。神作品だなんて言ってくださって本当に嬉しいです。頑張ります🙇 (5月18日 0時) (レス) @page50 id: 8b412c03e0 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑缶詰 - 初コメです!急すぎますが、本当に好きです!!無理のないように更新頑張ってください!応援してます!!!こんな神作品を書いてくださってありがとうございます!!! (2023年4月3日 20時) (レス) id: 45c5ef30c9 (このIDを非表示/違反報告)
エス兎(プロフ) - 或さん» コメント有難うございます✨神作品と言って頂き本当に本当に嬉しいです🙇😭これからも頑張ります…!有難うございます! (2023年2月21日 23時) (レス) id: 8b412c03e0 (このIDを非表示/違反報告)
或 - 控えめに言って神作品です。 (2023年2月21日 22時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
エス兎(プロフ) - ここさん» ここさん😭♡コメント有難うございます🙇嬉しいことばかり言って下さり本当に有難うございます…🥹✨頑張ります♡ (2023年2月4日 22時) (レス) id: 8b412c03e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エス兎 | 作成日時:2023年1月8日 23時