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「な、んで…凛が…」

「それはこっちのセリフだ、A」


ギリ、と強く掴まれる肩に"痛い"と声が漏れた。
それが聞こえたのか彼は少しだけ力を緩めたが、俄然離すつもりはない。


「…取り壊されるって聞いて、来ただけ。
痛いから離して」

「うるせぇ、お前東京に行ったんじゃねぇのかよ。この腕は何だ。水泳やりに行って何でこうなっていやがる」

「オーストラリア、居るんじゃ__」

「今はそんなの関係ねぇだろ」


"言うまで離さない"と、言われてるようで…
彼は鋭い目をやめなかった。


「痛いから離して。ちゃんと話すから」

「…チッ」


大きな舌打ちを鳴らし、肩から手を離す。
遙達に聞いていた通り、凛は少し性格がねじ曲がってしまったみたいだ。


元はこんな歪んでなかったはず。
純粋で…ただ、リレーを泳ぐことを……



私と同じ、オリンピックの夢を掲げていたのに。
あぁ…またひとつ嫌な事を思い出した。



「…腕は、大会前日に交通事故で失った。それだけ」

「それだけ…って、せっかく東京に行ってまで何馬鹿なことやってんだよ!」

「水泳留学までして行ったのに、のこのこと帰ってきてこんな所でフラフラしてる凛より、馬鹿なことはしてない」


凛の胸ぐらをつかみそう投げかけると、頭にきたのか…彼も私の胸ぐらを掴んできた。
…少し、ほんの少しだけ苦しい。

首が…? それとも…

気持ちが?




「…喧嘩売ってんのか」


そして、声を低くし…脅すように、言葉をぶつけてくる。

あぁ、そうだ。
腕があるのに挫折して水泳から逃げてる君がずるくて仕方が無い。

「売ってるけど、それが何。
…凛こそ、いつまで逃げ回る気?
いい加減、正式に水泳部に入部したら?
怖気付いてんのか何なのか知らないけど」


「うるせえ!
言われなくても俺は水泳部に入ってやる。
ただ、あいつらと一緒に泳ぐためなんかじゃねぇ。
俺は俺の夢の為に、だ 」


凛はそう吐き捨て、乱雑に手を離し…背を向け去っていった。
大きくなったその背中を眺めながら、私は決意した。


いつまでもうじうじしてるアイツらに、…腹が立って仕方がない。

凛も遙も真琴も……彼も。


全部全部全部全部全部!!!!

ぶん殴ってやらないと気が済まない。




……私は泳げないんだ、これくらい…これくらいのワガママぐらい、いいでしょ

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作者名:瀬名。 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/S_eN_a_0_  
作成日時:2018年8月24日 1時

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