Curse of the Mirror ──鏡の呪い──

花びら八枚目　Who's the bad guy?　──悪者は誰だ？── ページ9

「…××…×…」

お母さんが呼ぶ。

「…何？」

「た…すけ…」

「は？」

「…助けて…！」

…ああ…。

そんな、今にも消えそうな声で言われたら。

悲しそうな目で見てきたら。

血まみれの手を伸ばされたら。

私が…。

「私だけが悪者みたいじゃんっ！」

包丁を投げ出して部屋へ戻る。

キッズケータイを手に取って、電話をかける。

『──火事ですか？救急ですか？』

…繋がった。

「救急です。男女二人が刺されました」

電話に出た人の質問──住所や詳しい事を聞かれる。

それに全て答えた。──一つを除いて。

『お名前は？』

……もう、名乗りたくない。

「……」

『…もしもし？聞こえていますか？』

「……っ」

私はキッズケータイを落とした。

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