Story 6 ページ7
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「あー……たく、マジイラつく…ッ」
カフェから少し離れた場所で一人、彰人は小声でぶつぶつ呟いていた。
脳裏にチラつくのは、冬弥に可愛いと言われてAが照れている、先程の光景。
思い出すだけで腸が煮えくり返る。
チッと舌打ちすると、少し離れた所から声を掛けられる。
「東雲くん！」
「…A。」
Aが駆け足で彰人の元に駆け寄り、少し心配そうな表情で見上げた。
「大丈夫？顔色が少し悪かったから、心配で…。」
「嗚呼、大分気分は良くなった。心配掛けて悪ィな。」
「よかった…気分良くなって…。」
「ッ…。」
Aは安心したように胸を撫で下ろして、柔らかな笑みを浮かべた。
その笑みに、彰人の胸は高鳴る。
可愛らしい笑み。その笑みを俺だけに向けてほしい。
独占欲が溢れ出して、堪らなくAが欲しくなる。
すると彰人はAの腕を掴み、グイッと引っ張って優しく抱き締めた。
「っ！？し、東雲くん…！？」
「悪い、暫くこのままで居させてくれ。A。」
「…！わかった…。」
Aは彰人から離れようと優しく胸板を押したが、か細い彰人の声に思わず抵抗をやめてしまう。
一体何があったのかはわからない。
だけどこれで落ち着くならとされるがままでいることにし、そのまま彰人の背中をAは優しく撫でた。
彰人はAを独り占めしている気分になり、思わず嬉しさから口元を緩めた。
その時、彰人はAが見ていないことを良いことに、壁から羨ましそうに覗いてる
その少年は目を見開いて睨み付けるが、彰人はどうも思わないまま、見せ付けるようにAを強く抱き締めた。
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作者名：葉口 x他1人 | 作成日時：2020年10月24日 14時
