インド旅行は知っている

カフェテリアでの話(2) 〜アーヤside〜［36］ ページ42

「じゃあ、黒木がアーヤのお母さんを説得しに行くって事で。」

若武が皆を見回す。

黒木君、優しいなぁ。

「お願いします」

私は黒木君に頭を下げた。

「任せといて。」

初めて会った時のようにウィンクする黒木君。

あの頃はちょっと嫌だったけどね…。

今は、どうかな？

黒木君がとっても大人で、思いやりがあるって事は分かってるし、嫌ではないと思う。

「オレたちは皆行けるって事でいいな？
アーヤは黒木が説得するから大丈夫だ。対人関係のエキスパート、頑張れよ。」

若武は黒木君にニヤッと微笑む。

すると、黒木君も同じ笑みを浮かべ、親指を立てた。

よっぽど自信あるみたいだけど、大丈夫かなぁ。

「そういえばさぁ、引率とかはどーすんの？
子供だけで海外って心配する親もいるじゃん。」

上杉君が眼鏡を押し上げながら言う。

「確かに、そうだよね。」

小塚君も同意する。

「悪いけど、うちの親は引率ダメなんだよね…。
多分、皆が来る時は私以外で旅行行っちゃうんじゃないかなぁ。」

そっかぁ、それは仕方ない。

「誰かアテはないか？黒木とか。」

若武が皆に尋ねる。

「そうだねー。いない訳じゃないよ？」

急に話を振られて、サラッと答える黒木君。

さすが、対人関係のエキスパート。

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