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You side




ゆっくりこちらに
振り返ってくれた川尻さん。



「木梨さん今日居たんですね」




「はい、中でクッキー焼いていました」



と言いながら
手に持った2つのクッキーを
彼に渡す。



「え、もらっていいの?」



とても嬉しそうにクッキーを
見ながら言うから
つい可愛いって思ってしまった。
ちゃんとお礼しないといけないのに。




助けたお礼だと言ったら
そんなの気にしなくて良いのに、
って言うもんだから
私が気にします、と言ったら
ありがとうと受け取ってくれた。



「もう1つは白岩さんに。」



というとすこし眉を下げて笑っていた。
だけどすぐに眉が上がって
いつものように笑ってくれた。




この笑顔がいつか私だけに
負けられるようになったらいいな
って少しだけ思った。





まだよくも知らない人なのに
こんなこと思っちゃうのって変かな。




その日から数カ月間
彼はカフェに訪れることなく
毎日今日来るかな、と
期待していたけど
時間が経つに連れて
期待も薄まり、
その感情を忘れるぐらいにはなっていた。




ある日、いつものように
レジをしたり珈琲淹れたり
していると、
ふと川尻さんのことを思い出した。




「今何してるのかなあ〜」



カフェのホールを
モップで掃除しながら
また独り言をぽつり。




モップの先端に顎を乗せて
ゆらゆら揺れていた。



そういえば、川尻さんの連絡先
知らないな。
男の人に連絡先なんて
聞いたことないよ。



「どうやって連絡先を聞こうかな」




そんなことを考えていたら
またいつものように
仕事が終わり、
いつものように帰宅して
そのまま寝てしまった。


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nanako(プロフ) - 蓮くん頑張れー!! (2021年9月28日 0時) (レス) @page39 id: a3eea1a2d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソヨン | 作成日時:2021年8月15日 23時

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