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とある少女の視界 ページ36

青年は少女の横に座る。

私「……何故横に座る。離れろ。虫酸が走る。」

そういって少女は青年から離れた。

エース「別いーじゃん。気にすんなって。」

青年はニシシと笑って近づく。少女は最早面倒くさいと思い、離れるのを止めた。

エース「なぁ。お前、海見てて楽しいか?」

私「……他に見るものがない。…だけど、退屈はしない。島では余り見ないものだからな。」

素直に思った事を伝えた少女に面食らった顔をしながら、青年は「ふーん。」と返答する。

しばらく無言の空間が続き、再度青年が話しかけた。

エース「お前はさ。海賊王にもし子供がいたらどうする?」

いきなり関係の無いことを聞かれ、青年を見た。表情は見えなかった。

私「……どうもしない。私には、関係ない。」

エース「なんでだ?……海賊王は、犯罪者だぞ?」

私「だからなに?私にとって、海賊王の子供とかどうでもいいから。子供に親の罪は関係ない。当たり前の事だ。」

エース「っ……!!」

私「……もし、海賊王の子供が産まれてはいけなかった存在だとしたら、私は、存在すら許されない存在だから、むしろそっちの方が羨ましい。」

そういうと、青年は私の方を見た。

エース「お前が、存在すら許されない存在……?どういう事だ?」

私「そのままの意味だ。私は……人を殺めた。13の時。」

エース「………」

私「ずっと仲の良かった友が、人攫い共を連れて、私と私の両親を攫おうとした。両親は抵抗した性で私の目の前で殺されて、肉塊になった。そして私は両親を殺したそいつ等を殺した。ずっと仲の良かった友も殺した。」

もう日は沈んでいるのに、海を見続け、目を伏せた。

私「私は、化け物で虐殺者で、裏切り者なんだ。だから、存在すら許されない。」

密かに、青年の息を呑む音が聞こえた。

私「……私はお前が羨ましい。海賊王の息子だと知っていながら、優しくしてくれる義父がいるのだから。」

ふっと息をはいて、微かに笑みを見せた。

私「大事にしろよ。その幸せを。」

エース「……なにいってんだお前。」

私「は、」

言われた事を理解出来ずに間抜けな声を出してしまう。

青年はずいと少女に顔を近づけて、こういった。

エース「お前も家族なんだから、一緒にその幸せを大事にすんだよ。」

私「なにいってっ……私は家族は嫌いだと」

エース「あーあー聞こえねー!腹へっちまった!一緒行こーぜ!」

青年は少女の言葉を遮り、その手を無理矢理引いて、食堂へ向かった。

もう一度目覚めて→←とある少女の日常



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SYEHERA(プロフ) - ありがとうございます!続き頑張って書いていきます(*^^*) (2020年1月19日 22時) (レス) id: f380d1fbe2 (このIDを非表示/違反報告)
Rose - いえいえ、私こそ無理言ってすいません 一気に更新して下さり本当に有難う御座います(*^▽^*) 続き楽しみにしてます (2020年1月19日 19時) (レス) id: 0f77344160 (このIDを非表示/違反報告)
SYEHERA(プロフ) - いえいえ(^^)私もこの作品を読んで貰えて嬉しい限りです…応援ありがとうございます! (2020年1月19日 0時) (レス) id: f380d1fbe2 (このIDを非表示/違反報告)
Rose - 更新本当に有難うございます これからも頑張ってください (2020年1月19日 0時) (レス) id: 0f77344160 (このIDを非表示/違反報告)
SYEHERA(プロフ) - それなら良かったです!更新出来るだけ毎日頑張ります! (2020年1月12日 10時) (レス) id: f380d1fbe2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SYEHERA | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年11月16日 3時

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