29-1.望と私【リク】 ページ48
〆．
私には、「こわい」と感じる機会が少ない。
確かに望以外の人からストーカーされてた時はこわかったけれど、
この世界で誰かが「こわい」と感じるであろうことも、あまり気にしたりはしない。
雷だって、幽霊だって、犯罪者だってそんなにこわくなくて。
失敗や嫌われることも、過去の経験上恐れたりはしない。
私がもし「こわい」と感じるとしたら、それは………
「っ、A！！」
「望」
「その薬用リップクリーム、新品のこれと交換して！」
「狙いが大変わかりやすいね、はい」
「んふふ、これで………んふふふ」
私を愛してくれている彼が、どこかへ行ってしまうこと。
「ちょっとお昼寝しようかな」
「！！まずい、保存容量が……っ、ちょっと電気屋に、」
「待って！」
「！？」
思わず望の服の裾を掴むと、望は目をまん丸にしてデレデレし始めた。
「この服、家宝……」
「末代までの恥になっちゃうよ、それより、そばにいてほしいの」
「！？！？」
寂しいとか、独りになりたくないんじゃなくて、
望にそばにいてほしい。
「カメラにおさめるのもいいけど………今日は心の中に保存してて？」
「うんっ♡♡」
眠りにつこうとする私の超至近距離に腰をおろす望。
ガン見されて安心するなんて不思議。
私はゆっくりと意識を遠のかせた。
一度私が眠りにつけば、故意的に彼が私を起こすことはない。
私という存在は激レアであり、そんな私の寝顔を拝めるのはお金をいくら積んでも味わえない奇跡だと言っていたから。
お金なんて払わなくても、いつでも見てくれていいんだけど。
だからおかしいと思ったんだ。
「……なあ、A起きてや。A！」
望が大きな声で、私のことを揺さぶりながら起こすなんて。
「………ん、望？」
ちょっぴりあざとく、寝起きの声を出す。
望はため息をついた。
「いつまで寝てんねん？いや、てかおかしいやろ。そばにおってって言いながら寝てまうやなんて」
「…………………え？」
〆．
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林檎(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！ニヤニヤしながら読んでます笑更新頑張ってください！ (2019年7月16日 22時) (
レス) id: 9baa2abd91 (このIDを非表示/違反報告)
みるくぷりん(プロフ) - 私、剣道部なのですが、ほんとに竹刀、防具匂います！クラスの友達にアンタこんなのつけてやってんの！？と、言われましたとさ笑 (2019年4月3日 22時) (レス) id: 5c6cbd628f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - これ好き (2019年3月8日 1時) (レス) id: b98f2652d5 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - WEST大好きで緑と青とピンク色寄りのオールジャス民です最高です (2019年2月23日 17時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき(プロフ) - 淳太くんと流星が主人公を取り合ってるのが見たいです！ (2019年2月22日 22時) (レス) id: 9e0f7d62f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2019年2月14日 19時
