28-2.体育祭とお昼ご飯【リク】 ページ46
〆.
『次は、ムカデ競走です。選手入場』
男女混合ムカデ競走。
望の熱い希望により、私の前は女子。
そして私の後ろは望。
「やっぱ後ろから見たAも最高……」
なんか聞こえるけど無視。
いや、やっぱり気になってちらっと振り返る。
「A〜♡」
嬉しそうな望の頭には、ハチマキ。
本当に借りたんだ………まあそりゃそうだろうけど。
モヤモヤして、悲しくなって、何も言わずに前に向き直った。
「A……?」
不思議そうな望の声。聞こえないフリして、いつの間にか競技は終わってた。
このあと望が出る競技まではまだまだなのに、ハチマキを一切外そうとしない望。
…………そんなに大事?そのハチマキ。
あの子が貸してくれたから?……………馬鹿。
私の出場競技の時は熱心にビデオカメラを回していた望に笑顔も返さず、
午前最後の競技が終わって、私は退場門からそのまま教室に走った。
勝手に妬いて、一人で怒って、なのに寂しいなんてワガママが過ぎるだろうか。
教室にちらほら人が戻ってくる中、望は一向に戻ってこなかった。
………ふん。
「あれ、Aちゃん一人?」
「っ……あ、中間くん」
「どーも。飯一緒に、ええ?」
「どうぞ…」
良かった、と笑顔で隣に座った中間くん。
「はまちゃんが家族と食べるらしくてさ。高校生になってもまだ家族来てくれるなんてええな」
「そうだね……」
今日は金曜日だから、大ちゃんが「行けへん〜!」って泣きじゃくってたな。
「あれ、淳太や」
「ん、流星?」
「二人きりで食べようとしてんの?無理、俺もここで食う」
私の前に座った流星。
このメンバーでお昼ご飯って初めてだな。
「Aちゃんの弁当おっきいな?」
「ああ、うん。二人分のつもりで」
「そういや、小瀧は?」
中間くんがキョロキョロ。
「あー。あいつなら先生に捕まってた」
「ふーん……」
何したんだろ。気になるけど、聞けない。聞きたくない、の方が正しいかもしれない。
「ほんならアピールしまくれるな」
「っ、」
中間くんがニヤリと笑った。
〆.
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林檎(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!ニヤニヤしながら読んでます笑更新頑張ってください! (2019年7月16日 22時) (レス) id: 9baa2abd91 (このIDを非表示/違反報告)
みるくぷりん(プロフ) - 私、剣道部なのですが、ほんとに竹刀、防具匂います!クラスの友達にアンタこんなのつけてやってんの!?と、言われましたとさ笑 (2019年4月3日 22時) (レス) id: 5c6cbd628f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - これ好き (2019年3月8日 1時) (レス) id: b98f2652d5 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - WEST大好きで緑と青とピンク色寄りのオールジャス民です最高です (2019年2月23日 17時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき(プロフ) - 淳太くんと流星が主人公を取り合ってるのが見たいです! (2019年2月22日 22時) (レス) id: 9e0f7d62f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆな | 作成日時:2019年2月14日 19時