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03. ページ3

〆.



「えー!Aって長女なん!」



「なんでそんなに驚くの?しっかり者でしょ?頼りになるーってよく言われるんだから!」



重岡くんとのおしゃべりは本当に楽しい。



一生続けばいいのに。



………………なーんて。



「しげ、お楽しみ中悪いけど、次のお客さん来たで?」



「え!!………楽しいと時間過ぎるん早いわ。ちょっと待って」



「俺が代わりにAさんの髪やるわ」



「は!?あかんし!?」



重岡くんと言い合ってるのは……小瀧くん、だっけ。



常連さんと最近付き合えて、すごく幸せそうなの。



彼女が嫉妬してまう〜ってよく言ってるのに、いいのかな。



まあこの仕事してたらしょうがないだろうけど。



「ほれ、しっし」



「ふざけんなやぁ!」



喚きつつ、重岡くんは別のお客さんの元へ。



「………残念そうな顔、してはりますね」



「え?あ、いや……」



「しげにほの字かぁ、なかなかマニアックやん?」



意地悪な顔。



重岡くんの方を見ると、しっかり目が合って、慌ててそらされた。



「Aさんてシャンプーとドライヤーだけでええの?毎回そうやけど」



「ああ、うん。別に髪をどうこうしたいわけじゃないから」



「無頓着かぁ、しげの好きそうなタイプ」



「へ?なんで?」



美容師さんのタイプなのに無頓着がいいだなんてありえない……。



「んー、自分好みにできるから、やな」



「…………重岡くんってSっ気あるの?」



「あは、そういうとらえ方もあるよな〜」



小瀧くんの長い指が、私の髪をすり抜ける。



「………のけ!」



「おわっ?!」



あとはヘアアイロンで軽く巻く、くらいの時に、



重岡くんが小瀧くんを押しのけた。



「俺の客やっちゅーねん」



「ダブルブッキングやん」



「予約より早よ来てん、やから雑誌に子守り任せてる」



「その言い方よ」



どんな理由であれ経緯であれ、



重岡くんともう一度話せるのが嬉しかった。



「望に変なことされてへん?大丈夫?」



「されてないよ」



鏡越しに目が合う。今度はそらされない。



「………良かった」



その言葉の意味を、



聞く勇気は残念ながら持ち合わせていなかった。



〆.

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設定タグ:ジャニーズWEST , 重岡大毅   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:はゆな | 作成日時:2020年4月8日 21時

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