検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:245 hit

第7章 記憶の中の奈々。 ページ7

夜、ベッドに入ってから考える。



奈々との思い出はもう無かったことで


僕が好きだった奈々とは別なんだ


だけど、今…奈々を見捨てたら

親もいないから生きていけないわけだ


まず、奈々は僕と暮らしてて楽しいのか?


幸せなのか?



僕はどちらでも無い。


________



「うん、今?凛くんと暮らしてるよ」



奈々はソファに座って楽しそうに

電話越しの相手と話している。



「藍里ちゃんって今度会える?」



僕のことは覚えてなくても

友達は覚えてるんだな


それって結構…変な話のような気もするけど

そういう、脳の後遺症らしい



「藍里ちゃん、彼氏できたの?」



「礼央くん?」


「え?」


藍里って、礼央と付き合ってるのか


ここ1年間、友人関係を無視してたからな

たまには友達と遊ぶのもいいなぁ


礼央は元気にしてるのかな、サッカーしてて

怪我をしたらしいから…もう辞めたのかな。



「じゃあ、来週の月曜日に駅前のカフェね」



________


早く、早く、早く!!

人で溢れかえる駅をただひたすら歩いた


彼女にもう一度会えるなんて夢みたいだ。


「奈々っ!久しぶり」


「あっ、藍里ちゃん!髪伸ばしてるんだ可愛いね」


奈々はあの日あった事故から1年たって目を覚ました。

たびたびお見舞いに行ってたけど

痩せていく奈々を見て、正直…怖かった

もしかしたら明日、いなくなる可能性もあるわけだし


凛はもっと辛かっただろうな

なんか、凛に会いたい…会って謝りたい


もっと力になれたはずなのに



「藍里ちゃん?」

「えっ、ご、ごめん…奈々に会えて嬉しくて」


「ずっとね、藍里ちゃんに会いたかったよ」

「何で?」

「何でって〜、親友でしょ?」


「ごめん……奈々っ……泣きそう」

「ええぇっ!一回どこかに座ろう」




________



幸せであるほど辛いことが待ってるのは

俺も凛もよく知ってる。


「あ、凛!」

「礼央…ごめん急に」


「いーよ近くに居たし、てか凛…相変わらずイケメンだな」


「怪我、治ったの?」

「無視かっ、治ったよ」


少しだけ、疲れた顔してる。

相当、精神的に参ってるのかな、凛ってすぐ1人で抱え込むから


「礼央…ちょっとだけ話を聞いてほしい」

第8章 礼央と藍里の幸せ→←第6章 花火の匂い。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:そら | 作成日時:2021年1月14日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。