第4章 僕に出来る事。 ページ4
「いただきます」
「味がちょっと濃いかもしれないなぁ、、」
「美味しい…」
奈々が作る料理は久しぶりだ
本当に料理が上手で、美味しい。
「ありがとう、凛くんが好きそうなものをいれたの」
「たけのこ…」
「当たった？」
「うん、たけのこ雑炊」
何でだ。どうして分かる
「嘘だよ！冷蔵庫に貼ってある買い物メモにたけのこって書いてたから」
「少しだけ、信じたよ」
いたずらに笑う彼女は、とても可愛らしい。
＿＿＿＿＿＿＿＿
風邪をひいた日から、2日後
奈々の看病のおかげで完治した。
「ありがとう奈々、すぐ治ったからよかった」
「凛くんって意外と弱々しいね」
「えっ」
「凛くんに初めて会った日も、死ぬとか言ってたし」
「それは、自分の中で取り消した」
「私はばっちり聞いてたよ」
そんな言葉も覚えてるんだ
奈々にとって僕はどんな存在なんだ。
「奈々は行きたいとこある？」
「え〜？何だろう」
記憶を取り戻す可能性もあるから
まずは思い出の場所を巡ろうと思う。
記憶に関係する、事、物、匂いまでが
引き金になるらしい。
「花火大会？」
「あ、もう終わったかも」
「そっか…」
奈々はわざとらしく残念そうな顔をした。
「そこに飾ってある写真、花火が綺麗に写ってるから」
「あぁ…あれか」
テレビの横に置いてある奈々と写ってる写真
高校生くらいの頃で、付き合ってすぐの時期だ。
「私も写ってるね」
「あの公園の花火、綺麗なんだよ」
「そうなんだ、来年は見に行こうよ」
「いいよ」
簡単に来年の約束もできるなんて
奈々は強いなぁ
僕のことを考えてくれて。
「そうだ、奈々…手持ち花火をしない？」
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作者名：そら | 作成日時：2021年1月14日 21時
