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目を開けたらそこは家ではない白い天井だった。
体が怠くて重くて。思うように動けない。
(ここは……、病院…？)
辺りを見回そうとするも体の自由が上手く効かなくて、まるで自分の体じゃないように感じる。
左手を誰かに握られているのに気付き、誰か確認しようと体を動かそうとしたけれど無理そうで。
だけどこの私の手がしっかりと包めるくらい大きくてあたたかい手は一人しか当て嵌まらない。
『おと…、さん…』
「！ A…ッ！！やっと目が覚めたんだね…！良かった…本当に良かった…」
いつも明るくて、いつも笑顔の父が今にも泣きそうになっていた。
状況が飲み込めなくてまだはっきりしない意識のまま父を見つめていると私の言いたい事が伝わったのか先に答えてくれた。
「…ソファーで寝ていたのは覚えているかな。…私が家に着いた時、君は高熱を出していてね。意識が戻る様子が無かったからそのまま入院していたんだ」
『にゅう、いん……』
「熱は一週間程で引いたんだけどね。…二ヶ月、意識が戻らなかった」
『え…』
これは夢だろうか。
父の言葉が中々受け入れられなくて視線を泳がせていたけれど、この状況で嘘をつくような人ではない。
(また…、迷惑かけちゃったの…私…)
「熱のせいで目が覚めなかったのかもしれないけど、調べてもらっても原因が分からなかったんだよね……、って…えっ、どうしたの！？どこか痛む！？」
『うぅ…ちがう…、ちがうの…いたくない…』
突然ぽろぽろと泣き出した私に父が慌てた。
『個性…、わたし、あの日使ったことないの、いっぱいつかったの…怪我をなおしたり、雨で服が濡れちゃったから乾かしたり…、必要なとき以外使っちゃだめっておとうさんから言われてたのに…、ごめんなさい…』
「A…」
二ヶ月も寝ていたせいで体力が無くて泣く事も上手く出来ていないけど、申し訳なさと情けなさで胸が締め付けられそうだった。
そんな私の頭を撫でながら見守ってくれる父の優しさにも申し訳なくて、シーツをきゅっと強く握り締めながら涙を流し続けた。
「…A、…君はその個性を全部自分に使った訳ではないのだろう？」
『うん…』
「ならそれは仕方のない事。…大丈夫、君は人助けを一番に優先する優しい子だって私は知っているからね」
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なさ(プロフ) - 夜月 零夜さん» コメントありがとうございます！まだまだ未熟者ですが頑張ります！！ (2020年2月11日 13時) (
レス) id: f613967be2 (このIDを非表示/違反報告)
なさ(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！とっても天然な主人公ちゃんですが気に入っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！頑張ります！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: f613967be2 (このIDを非表示/違反報告)
なさ(プロフ) - レーナさん» 返信昨日ある事に今更気付きましたすみません…！応援ありがとうございます！頑張ります！れんこん！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: f613967be2 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 零夜 - 面白かったです！更新頑張ってください!! (2020年2月7日 16時) (レス) id: 3da7626fa3 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - すごく面白い！主人公ちゃんが可愛い！頑張ってください！ (2020年2月5日 23時) (レス) id: 171cb6aee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なさ | 作成日時：2020年1月29日 3時
