・ ページ13
・
康二に支えてもらいながら控室に戻る。
近くの椅子に座らせてもらって、ぐわんぐわんと揺れる脳を落ち着かせるように肘をテーブルにつけて頭を抱えた。
kj「勝手にやけど荷物まとめさせてもらうで？落ち着いたら俺の車で帰ろうな」
mm「＿＿＿＿ごめん、」
kj「もう謝らんといて。こっちが辛なるわ」
mm「・・ごめん、」
だからぁ、笑いが含まれた声で発されたのはそれだけで、すぐに部屋は物音だけが響き始める。
最悪だ。
ここまで調子が悪くなるのは初めてで、自制の出来ない能力に振り回されることしか出来なかった。
気持ちで乗り切ろうとしてもこの問題に関しては気楽にいられない。
「康二さん、少しいいですか？」
kj「いいですよ、今めめ休ませてるんで外で話しましょか」
康二が居なくなって本格的に一人になった空間で、聞こえたこえを反芻させながら衣装からラックにかかった私服へ着替える。
ふと顔を上げると鏡越しに自分と目が合うけれど、顔色は最悪だ。
自分でもよくこの状態で撮影を続けようとしたなと考えてしまうほど。
悲観的になっていた思考は次第に苛立ちを掻き立たせる。
何やってんだよと自分を責めたくなって。
鏡のすぐ横の壁を、拳で殴った。
kj「お、めめ着替え終わっとるやん。帰ろか」
スタッフへの謝罪と挨拶もほどほどに、康二の少し後ろを追って駐車場まで歩く。
いつも助手席に乗らせてもらってるから車内でようやく横並びになって。
kj「さっきな、今日のめめの撮影リスケしとってん。
月曜のインタビュー前あいとったからそこで今日の続きするから覚えといてや。朝の集合時間早なるで？」
俺が相槌を打たないから、車内では康二の一方的なお喋りが続く。
きっと暗い雰囲気を明るくしたいんだろうけど今日の俺は自分をその気分まで持っていけないらしい。
第九係にお邪魔することなく一人暮らしの家に送ってくれただけで十分なのに、看病したるなんて提案をしてくれたからそれは断った。
俺が独りになれば、能力が暴走しようと関係ないし気持ちも楽だから。
一晩寝てしまえば、暴走も収まって、
きっと何もないいつも通りが待ってるから。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1458人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗絢(プロフ) - 葉月さん» 葉月さん再びコメントありがとうございます！本Episodeも楽しんでいただけますよう頑張ります(^^) (2021年1月16日 22時) (
レス) id: 76dfa23ffd (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 移行おめでとうございます！これからも頑張ってください！楽しみにしてます！ (2021年1月15日 22時) (レス) id: 5fa35a3299 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗絢
| 作成日時：2021年1月15日 18時
