渡さない【ver.YELLOW】(リク) ページ41
iwside
「あ！これも買お！」
「ちょ、こっちも懐かしいって！」
二人で少し興奮気味に駄菓子を物色。
俗に言う駄菓子屋デート。
みんなに頼まれてた分は早々にゲットして自分たち用を見てたら懐かしさにキリが無くなった。
「照……」
笑いを堪えながら俺の袖をくいくいと引く亮平。
視線の先を見ると、山盛りのかご。
「……このくらいにしておこっか」
二人で笑い合ってレジへ向かった。
するとそこには、いつものおばあちゃんではなく、大学生風な人がいた。
「あの、おばあちゃんどうかしたんですか？」
亮平も疑問に思ったようで、おばあちゃんの定位置に座る彼に声をかけた。
すると、彼は優しく笑った。
おばあちゃんは怪我をしたわけでも病気なわけでもないらしい。
亡くなったおじいさんの命日で、少し遠くのお墓までお参りに行っているらしい。
「おばあちゃん、おじいさんのこと大切に思っているんですね」
「僕の両親は祖母がお墓参りに行くことを今更って言ったから、そう言っていただけると嬉しいです」
亮平は、涙声で俯いた彼の頭をそっと撫でた。
「好きな人がいるってことは、素敵なことって、俺の大切な人が言ってた。
会えても会えなくても、相手を思うことは素敵なことなんだと思うよ」
彼の顔を覗き込んで、渾身の首コテと微笑みを見せた亮平。
優しいのは知ってるけど……
少し顔を赤らめた彼に無性に苛立つ。
「照、お会計ジャンケンしよ！」
恋人とは言っても亮平からすれば元々はただのクラスメイト。
高校時代からやることはあまり変わらない。
「今日は俺が払うよ」
「えぇ？」
「今日はカッコつけさせて。
一応、デートだからさ」
デートという言葉をわざわざと強調する俺は、ちょっとダサいかな。
俺がカードで支払いを済ませる。
袋は3袋になったから二人で分けて持つ。
「……つも……じゃん」
「え？」
帰り道、ボソリと呟かれた声に聞き返すと、亮平は真っ赤な顔でこっちを見上げた。
「照は、いつもカッコいいじゃんって言ったの！」
「……それは反則」
こちらを向いた唇に、1つキスを落とした。
.
渡さない【ver.ORANGE】(リク)→←渡さない【ver.RED】(リク)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 554人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名岡颯貴(プロフ) - べーやさん» リクエストありがとうございます！そして、応援ありがとうございます！事件について、そろそろ書きどきですかね。承知しました！ (2021年1月14日 22時) (
レス) id: 9fd7fb69f1 (このIDを非表示/違反報告)
べーや(プロフ) - はじめまして！緑受けが大好きで、本当に楽しく見させていただいてます！リクエストなのですが、SECONDの、想いの果てにというタイトルのところで、阿部ちゃんが1人で寝れない、というのがあったと思うのですが、その事件について1話作って欲しいです！応援してます！ (2021年1月14日 22時) (レス) id: e9d252fca2 (このIDを非表示/違反報告)
名岡颯貴(プロフ) - tさん» リクエストありがとうございます！のえあべからのいわなべ彼氏組ですね！了解です！胸きゅんしていただけているのですか！！その言葉、とても嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張れます！！ (2021年1月8日 17時) (レス) id: 9fd7fb69f1 (このIDを非表示/違反報告)
t(プロフ) - 可愛いあべちゃんをありがとうございます。心臓が足りないぐらい胸きゅんしてます！ありがとうございます。のえるくんとあべちゃんの高校生時代でいわなべ彼氏組が嫉妬する場面がみたいです。よろしくお願いします。 (2021年1月7日 3時) (レス) id: 438dd56c27 (このIDを非表示/違反報告)
名岡颯貴(プロフ) - おそらつぅさん» リクエストありがとうございます！文化祭編書きたかったんですよね。リクエスト頂けると書きやすいのでめちゃくちゃに嬉しいです！ハロウィンのリクエストもありがとうございました！ (2020年12月25日 21時) (レス) id: 9fd7fb69f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名岡颯貴
| 作成日時：2020年11月28日 19時
