雪は舞って闇に咲く弐 (ページ32)

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少年たちは必死に戦い、徐々に男たちが倒れていった。流石はもと目黒組の忍者たち。子供とはいえあなどれない実力がそこにはある。

ラウールもより一層多くの敵の刃をひらりひらりと躱し、的確に急所を突くことで確実に倒していった。

そんな中、ラウールの目に飛び込んできたのは織山を後ろから銃で狙う敵の姿だった。織山はそれに気づいていない。

ラ｢織山くん！！！｣

ラウールは織山の元へと必死に走りそう叫ぶと織山を突き飛ばした。

パンッと乾いた音がして、ラウールの左腕が燃えるように痛む。そしてじわりと血が滲み出した。

織｢ラウールくん！｣

慌てて織山が駆けつける。

ラ｢大丈夫、掠っただけだから。それよりもあいつを早く倒さないと｣

『ほらほら、次は心臓を当てるぞ？』
相手はそう言って銃を構え直した。

絶体絶命。ラウールがそう感じたその瞬間、聞こえてきたのは。

｢おい、うちの末っ子に何向けてんだ。｣

頼れる兄の声だった。