雪は舞って闇に咲く弐 (ページ22)

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真夜中の貧民街。帰路を急ぐ二人の少年が月明かりに照らされ影が伸びる。言うまでもなくラウールと織山である。

そしてそこに…

ラ｢うわぁ！｣

織｢やめろ、離せ！｣

二人は突如襲ってきた黒ずくめの男たちの手から逃れようと抵抗するものの袋を被せられそのまま担がれて何処かへ連れ去られてしまった。

と、静かにその集団を追う者がいた。深澤と目黒だ。

作戦とはいえ可愛い可愛い末っ子をそんなふうに扱う奴らに二人の目の奥は怒りで燃えていた。

少年二人が連れ去られてから数分後、佐久間が一人時計台の屋根の上に立っていた。

と、そこに微かに空気を割く音と赤い閃光が一瞬光り、佐久間はそれを確かにとらえた。

佐｢阿部ちゃん！見つけたよ、北西にここから二里くらいかなこの道真っ直ぐ行って呉服屋の角を左！｣

阿｢よし！ありがとう、佐久間降りてきて案内して！｣

下から声をかける阿部に了解、と伝え隣の屋根に飛び移り、そのまま阿部たちのいる所に軽く降りてきた。

阿｢場所はわかった？｣

佐｢当たり前だよ、こっち！｣

そう言って走り出した佐久間の背中を阿部、岩本、宮舘、渡辺の四人が追いかけた。