微笑み一つ咲かせましょう(JW赤×緑)

44 赤 ページ44

赤父｢すみません！｣


・・・・・


警察｢いやいや、重岡さん、頭あげてください。
大毅君も、お父さんに迷惑かけたあかんで｣


赤父｢ほんっまに、こいつにはキツぅ言いつけときます！｣


おとんと2人で帰る。


警察｢あれ、重岡さんやん。
今日公休やなかったっけ？｣


赤父｢いや、まあそうなんやけどな、｣


警察｢あら、もしかして、さっき補導したんって｣


赤父｢ほんま、父親の俺がしっかりせなね｣


警察｢まあまあ、あんまり気ぃ張りすぎんときや？
でもデカなったなあ。
引き取った時、まだ小学生やったんちゃうか？｣


赤父｢まあ、そうやな。
どこで間違えてしもたんやろ、｣


警察｢いやいや、すごいって。
実の息子ちゃうのに、
そこまで育ててんねんから｣


赤父｢夜の街で父親の同僚にに補導される奴やけどな。
酒井今から聴取やろ？｣


警察｢ああ、せやったせやった。
ごめんな、引き止めて｣


赤父｢いやいや、頑張れよ。
ほな、行こか｣


外の駐車場に車が停まってた。


助手席に乗り込めば、
運転席に座ったおとんが話しかけてくる。


赤父｢寒かったやろ。
なんか食って帰るか｣


何がええかな、牛丼？カレー？
アホみたいにはしゃいでる声を遮って。


赤｢別に、こんでもよかったんやで｣


赤父｢なんでやねんな。
補導されたら、引き取りせなあかんやろ｣


赤｢別に、ほんまの父親ちゃうねんから、
俺の事、見放せばええやんけ。

警察官やのに、息子が補導されるなんか、
面目丸つぶれやろ。

今更俺の事見捨てたって、
別に俺はなんとでも生きていけるし。

ずっと育てる義理もないやんけ｣



赤父｢そう思うんやったら悪いこと、
せんかったらええやんけ。

今までにな、何回も、いつでも、
大毅のこと、見捨てるチャンスはあったんやで？
・・・チャンス、言うたら俺が望んでるみたいになるな。
チャンスやないな。
機会、やな。

せやけど、俺は大毅と暮らすことを選んだ。

大毅のことが1番愛おしいねん。

こんなに迷惑かけられて、嬉しい思ってんねん。

もっとおとんとして、迷惑かけられて、
もっとお前のこと叱って、
もっとお前と美味いもん食いたい思ってんねん｣



赤｢・・・なんやねんそれ｣


赤父｢俺を父親にしてくれてありがとう｣


赤信号で止まったおとんは、
俺の方を向くから、
俺は興味もない窓の外を見るしかない。


赤｢・・・カレー、食いたい｣


赤父｢ほな、俺のオススメ連れてったるわ｣

45→←43 赤

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す