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とまぁ、そんなことが日中にあったのだけど。
「あ」
退勤してきた私は駅に向かう途中でそのケーキを冷蔵庫に置いてきてしまったことに気が付いて足を止めた。
社長に持って帰ってねって言われてたのにすっかり忘れていた。
帰り際社長に「もう帰っていいよ」と言われて、例によって「終わるまでいますよ」と言葉を返して。
しばらく押し問答があった末に「俺ももうあと十分くらいで帰るから」という社長の言葉に負ける形で先に会社を出てきたのだけど。
「どうしよう」
取りに帰るか諦めるか。
そもそも今戻っても社長室が開いてない可能性もあるんだけど。
少し考えて、でもやっぱり明日になると固くなるかもしれないし、と私はケーキを取りに戻ることにして身体を翻す。
来た道を戻ること約十分、会社にたどり着くとまだまだ煌々と明かりが灯っていた。
問題は社長室が開いてるかどうかなんだけど。
社長室の扉に手を掛けると、あっさり扉は開く。
私はため息を吐きたくなった。
「社長、帰ってないじゃないですか」
「あれ、恩田さん？なんで戻って……」
「ケーキ、取りに来たんです。冷蔵庫に入れっぱなしで」
「あぁ……」
「ところで社長、帰るんじゃなかったんですか」
「いや、それは……えーっと……」
社長の目が言い訳を探す様に彷徨う。
私はこれ見よがしにため息を吐いて見せた。
「やっぱり、帰る気なかったんですね」
「いや、帰る気はあるんだよ。これが終わったら」
「二宮さんは？」
「先帰した。あとは俺が見ればいいだけだから」
私が社長のデスクに近づくと社長が不思議そうな顔をして私を見る。
「あれ、ケーキ取りに来たんでしょ？」
「もうすぐ終わるんですよね？ついでだから弾いて帰ります」
「え、でも……」
「遠慮しなくていいですよ。今日はケーキもらってますし、ギブアンドテイクです」
いつだかと同じようなことを言えば社長の顔がほころぶ。
「そうでした。じゃあお願い」
「はい」
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やっち(プロフ) - 続き待ってます❗ (2021年11月9日 5時) (
レス) @page18 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年9月20日 21時
