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1年が経った。
美香も今では立派な花屋だ。
自分の作ったブーケを使って貰い、ポロポロと涙を流しながら笑っていた。
相葉の右目は視力が若干落ちたものの、まだ眼鏡は必要がない状態である。
美香に昼休憩の時間は任せている。
ある日、3歳くらいの男の子とその父親らしき2人が店に入って来た。
男の子が相葉の前までやって来て、握ってた手を開くと500円玉。
「おはな、くらしゃい」
「誰にあげるの?」
「まま、おたんじょーびなの」
「どんな花がいいのかな?」
「ぴんくのおはな、くらしゃい」
「ピンクね、こっちへおいで」
相葉はピンクの花達の前まで連れて行った。
男の子は、「うーん」と言いながら花を見る。
やがて、綺麗と言うより可愛い感じの花を指差した。
「いくついる?」
「これだけくらしゃい」
男の子はパーの手を出して見せた。
相葉は5本バケツから抜いて、かすみ草を使って可愛い花束を作った。
男の子は嬉しそうな顔をしてる。
この子が持つにはちょっとだけ大きい花束。
両手で抱えて笑っている。
父親が慌てて追加でお金を払おうとする。
相葉は「今日だけの特別です」と笑った。
「ぱぱ、はやくかえりょ?」
「本当にいいんですか?」
「いいんです」
「ぱぱ、ままがまってりゅ」
「有難うございました」
「こちらこそ有難うございました」
「にーちゃ、ばいばい」
「バイバイ」
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SEN(プロフ) - はっしーさん» 読んで頂きありがとうございました。お花大好きです。うちは山野草が好きなのです。こちらの彼のようにお客さんに接する事はないけど、花が好きな所だけは似てるかも。うちの話だと言って頂き嬉しく思います。ありがとうね。 (2020年3月15日 7時) (レス) id: 81a5a7e5b5 (このIDを非表示/違反報告)
はっしー(プロフ) - SENさん、本当にお花が好きなんですね。お花を見つめる相葉さんの優しい眼差しが、お会いしたこともないけれどSENさんと重なって見えました。すみません、お会いしたこともないのに変ですよね。でも、こちらのお話はSENさんご自身のお話だと思いました。 (2020年3月15日 2時) (レス) id: 6a89c59bf2 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 返信ありがとうございます。そうですね。次回作も楽しみにしています。 (2020年3月13日 1時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
SEN(プロフ) - 櫻宮さん» 読んで頂きありがとうございました。彼の笑顔は最高です。きっと楽しくお店を続けていくと思います。 (2020年3月12日 21時) (レス) id: 81a5a7e5b5 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - こんなに感動するお話初めてです。ありがとうございます。彼の長所は笑顔だと思います。これから彼は仲間とともにお店を続けるのかな?どこかでお会いできますように… (2020年3月12日 18時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SEN | 作成日時:2020年2月23日 20時