A changed Future ページ7
Aとずっと物理的にすれ違う日々だった。Aは家を9時に出て17時頃に帰ってくるが、俺は12時ごろに家を出て深夜に帰ってくる。Aと会話ができるのが朝の時間しかなくて、睡眠時間を削ってでも一緒に過ごした。いくらAに寝たほうがいいと言われても彼女との時間を大切にしたかった。心の底から同棲していてよかったと思う。純血主義の堅苦しい意見を聞き、いらいらしながらも立場上最善の結論を出す、そんな嫌な仕事をして帰れば、ベッドに天使が眠っているのだから。
朝9時前、Aは魔法省へと出かけて行った。笑顔で見送り、キスをすれば嬉しそうに顔を綻ばせてくれる。いや、本当に結婚してよかった。
Aの居なくなったリビングのソファに座り、思考を回す。父オリオンはすぐにでも俺に仕事を引き継がせたいらしく、7月に入ってからさっさとあいさつ回りを済ませ、書類仕事も押し付けられた。忙しいのは引き継ぎしている今だけで、来月には落ち着くだろう。当主と言ってもいろんなところのパーティやら会合やらに参加するのが基本だからだ。
さて、レギュラスのことだが。まだ学生の彼は夏季休暇中実家にいる。当然、ほぼ毎日顔を突き合わせていた。そして先日、二人きりで話がしたいと言い出したレギュラスと、俺の部屋で話をすることにした。真っ黒な壁紙、真っ黒なベッドは本当に趣味が悪い。壁に貼られた、絶対に剥がれないように魔法をかけてあるマグルのグラビアアイドルの写真は異質だ。レギュラスはそれを見て、Aさんに似てないですね、と顔をしかめた。別にそのグラビアアイドルが好きで貼ってるわけではなく、家への嫌がらせ目的で貼ったものだ。
レギュラスは我が物顔で部屋の真っ黒なソファに腰を下ろす。俺は壁にもたれかかり、腕を組んでレギュラスの言葉に耳を傾けた。
「僕、死喰い人になろうと思っているんです」
まっすぐに俺を見つめる。俺と同じブルーグレーの瞳に迷いなど一切ない。俺は何も言わず、次の言葉を待つことにした。卒業式の日、ジェームズは言った。レギュラスも、スネイプもAの知る物語通りには動かない、と。どうやらその通りのようだ。だって、物語上では俺とレギュラスは仲違いをしてしまっているため、こんな会話を交わすことも無かっただろうから。
「…兄さんが家を継ぐと言ってくれた時、嬉しかったんです。僕のことを見捨ててなかったんだって。それで、僕は何がしたくて、何をするべきか考えたんです」
ラッキーアイテム
マールヴォロ・ゴーントの指輪
今日の呪文学
ルーモス（光よ）
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アネモネ(プロフ) - RIKOさん» コメントありがとうございます！大変恐縮です。趣味で書いている程度なのでつたない文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。是非お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月14日 10時) (
レス) id: 4798491269 (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - こんなにも作り込まれていて面白い作品には久方ぶりに出会いました。とても楽しく読めて、最近の私が充実しているようにも感じます。本当にありがとうございます！応援しています。 (2023年2月13日 21時) (レス) @page30 id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます！R18版ですが、マイページの設定でコンテンツフィルタがオフになっているのであれば、私には原因がわからないです、すみません…。ブラウザから見るなどしても見当たらなければ解決策を考えるのでまた教えてください！！ (2023年2月8日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 面白くて、思わず一話から一気読みしてしまいました!キャラ達格好可愛いし最高!所で、この小説のR18版が探しても見当たらないのですが、どうしてか分かりますかね…?フィルター等は無いんですけど…知ってたら教えて欲しいです！更新楽しみにしてます! (2023年2月8日 2時) (レス) @page13 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます！趣味で楽しく書かせてもらっています！こんな私の妄想にお付き合いいただいて嬉しいです。無理せずしっかり完結できるように頑張りますので、ぜひこれからもお時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月3日 11時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2023年2月2日 11時
