The Year ページ28
冬が去り、年を越し、運命の1979年となった。1979年はレギュラス・ブラックが死んだとされる年だ。しかしその正確な時期はわかっておらず、少なからず私はピリピリとしていた。そんな私を見越したように、シリウスはいつも以上に私を甘やかしていた。
そして突然、ヴァルブルガ・ブラックから私とシリウスが住む家、通称ステラ・カニーナに手紙が届いた。ブラック家の使うフクロウは黒く、とても分かりやすい。
手紙を二人で読み、私とシリウスは急いで聖マンゴ魔法疾患障害病院へと向かった。聖マンゴ魔法疾患障害病院はロンドンにあり、1600年代にマンゴ・ボナム癒師によって設立された。のちに、ベラトリックスから拷問を受け、俳人と化してしまったロングボトム夫妻や、記憶を失ったギルデロイ・ロックハートが運ばれることになる。
そこにオリオンが入院しているというのだ。文面からはヴァルブルガの焦りがにじみ出ていて、私はとっさに両親に守護霊を飛ばした。
私とシリウスは足早に病院の受付で病室の場所を聞き、廊下を急ぐ。いつも余裕のあるシリウスも、何でもない風を装っているが手紙を読んだ瞬間から眉間にしわが寄っているし、焦燥感を隠せていない。
オリオンがいるという病室の扉をはやる気持ちを抑えて開けた。そこにはベッドの傍らで不安そうにしているヴァルブルガ、そして横たわるオリオンが居た。私達より先に知らせを受けていたのか、私の両親もすでに到着していた。守護霊を飛ばす必要は無かったようだ。
「やぁA、シリウス」
横たわるオリオンをシリウスと２人で覗けば、拍子抜けしてしまうくらいいつもの調子のオリオンが居た。私たちは驚いて目を合わせる。聖マンゴに運ばれたというのだから、意識不明だとか廃人化しただとかの覚悟はあったのだけれど。
「事の顛末を話したい。人払いをしてくれ」
いつもの調子のように見えるが、魔法を使う体力はないようだ。私とシリウスは杖を構え、人払いをし防音魔法もかけた。それをブラック夫妻、そして両親が見届け、オリオンが上半身を起こした。その右腕は失われていた。
「昨日のことだ。ヴォルデモートが単身でわが家に来た。幸い、ヴァルブルガは外出中だった。彼が私に持ち掛けたのは、私とヴァルブルガ闇の陣営への加入だった」
当然、ヴォルデモートはブラック本家筋を仲間に引き入れたいと考えるだろう。こちらも対応策を考えていた。
ラッキーアイテム
マールヴォロ・ゴーントの指輪
今日の呪文学
ルーモス（光よ）
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アネモネ(プロフ) - RIKOさん» コメントありがとうございます！大変恐縮です。趣味で書いている程度なのでつたない文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。是非お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月14日 10時) (
レス) id: 4798491269 (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - こんなにも作り込まれていて面白い作品には久方ぶりに出会いました。とても楽しく読めて、最近の私が充実しているようにも感じます。本当にありがとうございます！応援しています。 (2023年2月13日 21時) (レス) @page30 id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます！R18版ですが、マイページの設定でコンテンツフィルタがオフになっているのであれば、私には原因がわからないです、すみません…。ブラウザから見るなどしても見当たらなければ解決策を考えるのでまた教えてください！！ (2023年2月8日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 面白くて、思わず一話から一気読みしてしまいました!キャラ達格好可愛いし最高!所で、この小説のR18版が探しても見当たらないのですが、どうしてか分かりますかね…?フィルター等は無いんですけど…知ってたら教えて欲しいです！更新楽しみにしてます! (2023年2月8日 2時) (レス) @page13 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます！趣味で楽しく書かせてもらっています！こんな私の妄想にお付き合いいただいて嬉しいです。無理せずしっかり完結できるように頑張りますので、ぜひこれからもお時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月3日 11時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2023年2月2日 11時
