【gnsn】僕を探してほしいのですが！ (ページ9)

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闇夜に紛れてページ9

よさげな岩に座り、焚き火の前でブローチを眺めていた。

こうしてみている分には綺麗な石なのに、と思ってしまう。

『僕は一体どこでこれを...』

狼煙が時々千切れたり、束になったりして、宙に消えていく。

『ん？』

遠くの方でも冒険者が野宿をしているのか、天高く上がっている狼煙が一つあった。

『いや、妙にでかくないか？』

ちょっとしたボヤ騒ぎくらいの火じゃないとあんなにモクモク煙たけないだろ。
...不安だな。

(ちょっと見に行ってみよう)

と、焚き火の火を消して大きな狼煙の方へ足を運んだ。

～～～～～～

「＿＿＿！、っ」

近寄ってみると誰かの力む声と、打撃音が聞こえてきた。
喧嘩と言うよりマジの戦闘をしている感じような音。

もう少し近よった木陰で様子を見る。

...赤髪の男が両手剣を振るっている。相手は、ウサギみたいなずんぐりむっくりした体型の魔術師。
しかも3体いる。

『！』

剣が燃えた！？そう言えば、空も岩を降らせていたし、この世界にはそう言う魔法的なあれがあるのかも...

なんて考えている間に、

＿＿＿その男は僕に剣を振りかざそうとしていた。

『っ！！』

危機一髪で身を躱し、護身で一応こちらも剣を握る。

『違う、僕は敵じゃない！』

「！、君はっ」

と何か言おうとしていた言葉を遮った、目の前に魔術師が現れた。
咄嗟に後ろに下がり、剣を握りなおす。

『おいあんた！すまないが、話はこいつらを片づけた後じゃないと進みそうに無い！』

「あ、嗚呼！」

水を使う奴が二体と氷を使う奴が一体。シールドを貼っているようで、彼のように炎やらが出せない僕には少しキツイ相手だ。

一度剣を思いっきり振るい、魔術師を下がらせる。

『僕が標的になる。あんたは僕が合図したタイミングでさっきの炎みたいなやつで攻撃してくれ』

そう一言言い残すと僕は敵に向かって走り出した。

魔術師は追尾式の攻撃を仕掛けてくる。一度立ち止まり、攻撃が真っすぐ飛んできたところでギリギリ避ける。
今日、空から見て学んだ回避の仕方だ。

魔術師たちはさっきみたいに姿を消し、ワープしようとしていた。

『どこに出てくるかはもうわかってるよ』

ワープできるのは僕の視線の先だけ。と言う事は＿＿＿彼の目の前だ。

『今だ！』

「”火炎よ、燃やし尽くせ！”」

一羽の大きな火の鳥が魔術師3体を飲み込み、そのまま連去ってしまった。