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4. ページ4

「神威…」
「なにしてるの、死んじゃうよ。」

神威は私の左手をぎゅっと握ったまま、そして、わたしから視線を外そうともしない。

確か好きだと自覚した時も似たような状況だった気がする。神威がわたしを見つめる目は強くて切なそうで。

青い目に吸い込まれるように私はもう好きだといってしまいそうだった。

ああ、でも。そうだ。この人とワタシは一緒になることなんてできないんだ。おごがましいこんな気持ちは早く捨ててしまわないと。

なんだか泣きそうだ。このままだったら私はここにもう戻ってこられない。残れる体だったとしてもこの人と結ばれることなんてない。

ああ、それならいっそー


「だんちょ…ワタシを殺してください。」

この人に会えずに死ぬより、この人に想いを伝えられずずっとそばにいるくらいなら死んだ方がマシだー

「夜兎としてのけじめです。戦えなくなった夜兎なんていらない。」

「戦うだけが、誇りだから。」と思ってもないことは覚悟を決めればいくらだってぽろぽろと口からこぼれ出るものだ。

アナタが、ワタシをー

「…分かったよ。」

そう聞こえた時にはもうすでに胸から赤い赤い血が飛び散ってアナタの顔を赤く染めていた。

ああ、これでー

楽になれるー


「……好きだったよ。」

そんなこと、今になって言わないで。どうして私の体はもう動かないの?目の前が真っ暗になっていくの?

ああ、神様。

ワタシの気持ちを知っていたならもう少し夢を見させてくれても良かったじゃない。

それともこんなことを望んだ私が悪いというのかしら。



ああ、アナタって本当にイジワルねー

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作者名: | 作成日時:2019年6月16日 2時

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