97.予想通り? ページ1
「とりあえず、人数は揃ったが、そのお偉いさんって一体誰なんだよ。」
「店長は幕府の重臣だっていうのよ。」
「私も詳しくはよく分からなくて。」とお妙はせっせと机の上に酒や氷やらを用意する。流石現役キャバ嬢、といったところだろうか。
他のものが好き勝手酒を飲みながら、タバコを吸いながら、SMの準備をしながら、ともろもろ役に立たなさそうな準備(暇つぶし)を行う中でお妙はマシに見える。
いつもならお妙の態度と接客に頭を抱える店長も今回ばかりは少しだけお妙の体の丈夫さに感謝した。
「おい、寄せ集めの俺らだぞ?誰だかわかってねーなら対処方法が狭まるじゃねーか。」
「キャバクラにくる客なんて十人十色ですよ銀さん。お酒も入るんだから分かっていてもそう簡単に対処できるものじゃないわ。」
じゃあどうするんだよ、という銀時の視線にお妙はにっこりと笑った。その笑顔にピシリ、とかたまった銀時と新八は本当に帰りたかった。
自分たちじゃあ対処できない何かが起こる、いや、こいつらが起こしそうだと思ったからだ。
「簡単ですよ、銀さん。ほら、誰でもむかついたらこうやって…」
「え?なんですか?」といつも閉じている目をガッツリと見開きながら東条はお妙に腕を取られ、ぐぐぐ…と力を入れられる。
「い、いたたたたた‼‼‼何してんですか!お妙殿!」
わずか3秒で撃沈した東条はくるくると体に巻いたバスタオルがはらり、ととれ、真っ裸のまま気絶してしまう。
せっかく集めた人員を1人失ってしまった。
いやでも、いてもいなくてもこいつは同じかもしれない。
銀時はAから東条のブツが見えないようにそっとバスタオルをかけ直した。一部始終を見ていたAは少しびっくりした様子だったが、何か口出すことはなかった。
「あ、そういえば銀さん。思い出しました。」
扉の方で何やらガヤガヤとうるさい。どうやら重臣がもう来たらしい。
銀時も立ち上がりながら重心の顔を一目見ようと首を伸ばす。
そしてお妙はふと手を叩きながら、Aをまっすぐ見ながらこう言った。
「重臣を連れてくる方は松平公だそうですよ。」
銀時はヒュッと、息が止まった気がした。
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咲(プロフ) - 玲奈さん» すごくそのお言葉嬉しいです…ありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします! (2020年5月10日 10時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
玲奈 - ずっと求めていたものがまさにコレ!って感じで凄いおもしいです!更新楽しみに待っています! (2020年5月10日 3時) (レス) id: 4d2b01f996 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。頑張って書いていきます。よろしくお願いします! (2020年5月9日 13時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - シリアスすごいいいです!これからの展開が楽しみです!更新楽しみにしてます! (2020年5月9日 9時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 紅蓮さん» ありがとうございます。ゆっくりだとは思いますが、最後まで見てくださると光栄です。よろしくお願いします! (2020年5月8日 12時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲 | 作成日時:2020年1月29日 23時