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116.鉄樹開花 ページ20

「赤い髪の女の子…?」

首をかしげた土方さんに携帯の電話を切り、少しドキドキした気持ちを整えてから「きっと神楽ちゃんですよ。」と笑った。

「…!ああ…」と納得がいくように小さくため息をついた土方さんは「おせっかいなガキだな。」と続けた。私も少し眉を下げて「そうですね。」と頷いた。

「土方さん、どうします?私はそういうわけなので今から会社に行きますけど。」
「こっからは俺にはもうできることなんて何もねーからな。さっさと帰って残ってる仕事でもやる。」

相変わらずだなぁ、と土方さんを真っ直ぐ見つめた。なにもいうなよ、という顔をした土方さんに私は少し近づいて、ちょいちょい、と耳を貸すよう手を振った。

「なんだ?」

物珍しそうに私に再度近づいたその耳に、小さく呟けば土方さんは初め少しびっくりしたような顔をしたけれど、すぐに私の頭を掴んでわしゃわしゃと掻き崩した。

「生意気だな。」
「それほどでも。じゃあ…」

微笑んだ土方さんに背中を向けようとしたその瞬間、「橘さん!」と大きな声が私を呼んで。

公園の入り口に立っていたその少年の姿を捉える。新八君だ。一体全体今日はどうしたのだろう。やけに万事屋のメンバーと絡むような…

ズンズンと近づいてくる彼の様子が少しおかしいというか、怒っているようにも見えたので、土方さんに二次被害が及ばないよう、「じゃあ。」と小さく手を振って彼のそばに駆け寄った。

土方さんも察したのかすぐに背中を向けて公園の裏口から出て行こうと歩き出した。


「新八君…どうしたの。」
「橘さん!」
「はい。」

珍しく声を荒げているというか興奮している新八君にシャキッと姿勢を整える。するとそれに気がついた新八君は「ああ…すみません…。」と謝ったかと思うと、いつもの態度に戻った。

「ほんと…すみません。興奮してて。」
「久しぶり、新八君。…珍しいね、どうしたの?」
「あの…」

なんだか煮え切らない態度になってしまった彼に、とりあえず会社に向かわなければならない状況。「話、歩きながら聞いていい?」と言えばそこはコクンと素直に頷いてくれた。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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narumi(プロフ) - いつと楽しく読ませてもらっています(*^^*)とても続きが気になります♪応援しています! (2021年2月15日 20時) (レス) id: 5cd2b1b9c5 (このIDを非表示/違反報告)
conny(プロフ) - 続き気になる!楽しみにしてます! (2021年2月3日 15時) (レス) id: 9be2d294c2 (このIDを非表示/違反報告)
気空(プロフ) - とても素敵なお話でシリーズ一気読みしてしまいました……! 夢主と銀さんの絶妙な距離感の変化がたまらんです。こういう夢主ちゃんあまり見かけないので巡り会えて嬉しい……陰ながら応援しております! (2021年2月3日 7時) (レス) id: 413d1f6892 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年2月1日 20時

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