【銀魂】一樹之陰【短編集】 (ページ8)

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「うーん…世間は狭いこと…。」

まさかあの人が真選組だったなんて。

「まあ、確かにあの人頭おかしかったけど、顔は整ってたしなぁ…。」

ルックスで騒がれていたほどはある。現に私の友達もなんだったけ、ヒジカタサン？とオキタサン？という2人でなんかどっちがいいとか言い合いっこしてた気もする。

私はそーゆーのに興味なくて全く上の空で聞いていたのを思い出した。

ついでにそんなんだから彼氏がいつまで経ってもできないんだよ、なんて言われたことも思い出した。最悪だ。

「ははっ…彼氏ねぇ…。」

自嘲気味に笑うけれども全く私の心にはこない。だってそーゆーの言った通り興味ないのだ。

どちらかというと1人が好きで、はっきり言ってしまえばよく分からないのだ。好きとか、かっこいいとかそーゆーのは。

うーん、女こごろとは？とつぶやきながら歩くが、答えなんてくれる人もいるわけなく。

ため息をつこうとしたしたその瞬間、肩が跳ねた。ー急に誰かにたたかれて。

沖「女心とは調教するもの。」

「………………………………………………あっ、この間の頭おかしかった人兼真選組のルックス担当。」

沖「なんでぃ、そのトチ狂った人の認識は。」

「こりゃ調教しがいがあるねぇ。」なんていうその人に私は恐怖しか持てない。いったいなんなんだこの人は。

「あ、の」

沖「緊張してんのかぃ？大丈夫だ。お前みたいなやつは最初は優しくやってやらなきゃならねぇことは承知済みだ。」

「そういうことじゃなくてぇぇぇぇ！！！」

本当にこの人は人間なのだろうか。私を家畜と間違えているのではないだろうか。というか、私は雌豚と言われるほど最近太ったのだろうか。

青い顔をする私とは対照的になんと涼しい顔をするのだろうか、この人は。

ーもういい、逃げようー

冒頭と同じように、逃げるが勝ちだと、「では。」と逃げる準備をする。これ以上この人に構ってられるか。

でも勿論、二回もおんなじことが通ずるわけでもなく。

沖「ちょいと一緒にきてくんね？」

そう言われてずるずる引きずられたのだ。