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夢【沖田総悟】1(前半) ページ35

耳を塞ぐと聞こえてくるあの声。

目を瞑ると見えてくるあの光景。

私には思い出したくないほど苦い思い出がある。それはいつしか夢にまで出てくるようになって、私は眠れなくなった。

悔しくて、情けなくて、痛くて。

でもどうすることもできなくて、ただいつも座って、布団をかぶって眠るふりをするだけ。

それがまた私には自分を追い詰める理由となった。助けてくれる人なんて誰もいない。光なんてあるわけがない。

私はそうやって生きていた。

あの日までー



沖田side

松 「なーんかね、この子ぉ、キャバクラの前で座り込んでたみたいでぇ。だーれに聞いてもわかんないって言うから、おじさん、連れて帰ってきちゃった。」

近 「いや、とっつぁん。それでなんでここにきてんの?」

松 「さーすがに俺の家に置くわけにはいかねぇからぁ、嫁さんに殺されっからぁ。だーからよ、オメェら警察だろ?預かってもらおうと思ってなぁ。」

朝早く玄関で近藤さんの声が聞こえた。何事かと思って眠い目をこすりながら玄関に向かえば、あまり清潔とは言えない少女がとっつぁんに手を繋がれて、立っていた。

話は今聞いた通りで、全部らしい。それじゃあ、よろしくなぁ、なんていってとっつぁんはこの子1人、置いていってしまった。

確かに警察ではあるけれども、されど警察。こもり場所ではないのだ。

近 「ったく…相変わらずだなぁ、とっつぁんは。君!なんて言うの名前?」

優しい近藤さんはとっつぁんに呆れながらもこの子を保護するみたいだ。彼女の目線に座り込み、優しく尋ねた。

だが、なにも答えようとはしない彼女。しかもふらふらしていて、目には誰が見ても分かるくらいの大きなクマがある。何日寝ていないのだろうか。

近 「お嬢ちゃん?」

近藤さんがそう尋ねたのが最後、彼女はばたりと倒れてしまった。瞑る目がなぜだかぎごちなくて俺はなんとなく彼女のことが気になった。

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作者名: | 作成日時:2017年1月16日 1時

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