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ミ 「土方さん、これかけても美味しいですよ。」

にこりと笑いながら土方さんにタバスコ人瓶を渡すミツバ姉を私と近藤さんは青くなりながら、総悟は不満そうに見つめていた。

ちなみに、私のラーメンは普通である。

私は土方さんのマヨネーズが大量に乗ったラーメンを見るふりをして土方さんを見つめていた。

実は好きだったのだ。

私は総悟と同い年だし、ひとまわりくらい歳は違ったけど。初めて好きになった人だった。

だからなのか、それとも私が子供だったからだろうか。私はミツバ姉の思いに気づくことなんてできなかった。


だからだろう。土方さんが来てだいぶ経った、みんなが武州に旅立ってしまう前の日、私に天罰が与えられた。

それとなくミツバ姉の横に座っていた私と土方さん。私はまるで空気のようにそこにいた。

「十四郎さんのそばにいたい。」だって。

その時ようやく私はミツバ姉の気持ちと土方さんの気持ちを理解した。頭は真っ白になりながらも行ってしまった土方さんを引き止めなければと私は立ち上がった。

止められた手に「いいんですか!?」って。




沖 「おーい、持って来てやったぜぃ。」

すとんと座りながらもぞもぞとコタツの中に足を入れる総悟。

沖 「ほら、煎餅。おい、どうした?」

コトンと音を立てながらコタツに煎餅の入った器をおく総悟に私は俯いたままで。

顔があげられない。

沖 「…ほら、この煎餅好きだろぃ。」

ポンと私の頭に手を乗せてぐしゃぐしゃと髪の毛をかき回す総悟。

左手に煎餅を一枚持ちながらテレビの方を見てバリバリとと食べている。

「…なんで覚えてんの?気持ち悪…。」

口では悪態をつきながらも。煎餅を口に運びながら私はポタポタとコタツに涙をこぼした。


忘れてはいけない苦い思い出。

もうこんな思いしないために。

記憶【沖田総悟】1→←2



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作者名: | 作成日時:2017年1月16日 1時

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