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「…銀時は私に死んで欲しいわけ?」
先ほどよりも口調が強くなった気がした。「もし…」とつぶやいていた時とは全く違かった。
「そっか…昔から銀時、私のこと嫌いだもんね。」
嘲笑するようにそいつは、ははっと掠れた声で笑った。
「泣き虫の私をいつも軽蔑してたもんね…。」
最後の方はぐっと声が小さくなり、涙をこらえているようだった。
ああ、やっぱり同じだ。やっぱりあの頃とは変わらず、こいつは泣き虫で、俺はー
俺はこいつが好きで。
銀 「好きだ。」
如何にもこうにもこいつがいってしまう事実なんて俺が1番受け入れられていないみたいだった。
「え…。」
銀 「お前が好きだ。最後くらい我慢しないで本音を聞かせてほしい。」
「俺だって、言ったぞ…。」とらしくもなく弱気になりながら俺はぎゅっと拳を握った。
「死にたくないっ!」
まるで空気が張り裂けそうなほどの痛い叫び声だった。そして、初めてのこいつの本音だった。
「死にたくないっ…私はまだ…銀時のそばに…。」
ゆっくりとそいつを抱きしめれば、しゃっくりをあげ、泣きじゃくる。
「死にたくない…。」
そいつの初めての本音は重くて俺にはどうすることもできない。
それでも抱きしめる力を弱めてはいけないと必死だった。
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作者名:咲 | 作成日時:2017年1月16日 1時