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「あ、れ…?っと…すみません。なんで私…」

喋れば喋るほどボロボロと流れ出る涙は止まらなくて。早く止まって、と思えば思うほど辛くなる。

「すみません、すみません。」

何度も謝りながら、涙を拭った。でも決して形見の着物は濡らさないように。



銀 「A…」

ふと坂田さんに名前を呼ばれる。

ふわりと坂田さんの柔軟剤の匂いが鼻をかすめた。と同時に少しだけ重みを感じる右肩と温かさを感じる唇。

どさりと私は風呂敷を落としてしまう。でもそんなこと理解できないかのように。

まるで時が止まったかのようにゆっくりと私の目はドアップの坂田さんを映し出した。


「坂田さ…」


唇から温かみが離れた後、私は訳も分からないまま、坂田さんを見上げた。

ただ、自分の胸から聞こえる鼓動だけは早くて、いつもより大きかった。




銀 「真っ赤…。」



坂田さんが一言そう呟いた。

私はするりと私の頬に忍び込んでくる坂田さんの左手にドキッとしながら。なにが真っ赤なのかも分からない。

ただ、さっきどさりと落としてしまった風呂敷からも真っ赤な着物がはみ出しているのをまた唇が寄せられる前に見た。

きっとそのことだろうと思いながらも私は目を閉じた。

兄弟【神威】1→←赤【坂田銀時】1



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作者名: | 作成日時:2017年1月16日 1時

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