雪が降る夜に【ONE PIECE】 (ページ46)

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cap45 ページ46

＜ｺｰﾄﾞ＞

電伝虫からの声。

一方的な会話は未だに続いていた。

『通信が途絶える前の獄内からの情報とで割り出された今回の大脱獄事件の主犯は三名!!!』

「三名??」

『海賊、麦わらのﾙﾌｨ。そして同じく海賊、蒼(ﾙ･ﾌﾞﾙｰ)。加えて、海賊、道化のﾊﾞｷﾞｰ』

何でﾊﾞｷﾞｰが主犯なわけ??

…囚人解放したからか。

『名もない一海賊と我々は甘く見ていたが、道化のﾊﾞｷﾞｰ。貴様が海賊王ｺﾞｰﾙﾄﾞ･ﾛｼﾞｬｰの元船員である事が分かった!!!』

後ろで、えぇぇぇぇぇっ!!?という囚人達の叫び声が上がった。

…煩い。

『さらには四皇、赤髪のｼｬﾝｸｽの兄弟分である事も調べはついている!!!』

ん何だってえぇぇ!!?と叫んだ奴等に一喝し、電伝虫へと意識を向けた。

煩いんだよ、さっきから。

『それ程の男がよくも今まで際立った事件も起こさず、水面下に潜んでいたものだ。ここにきて頭角を現したか』

「…凄っげぇ勘違い」

「…それ、言っちゃ駄目ですよ、主」

素晴らしい程の勘違いに引き気味のﾙｰｳ。

僕は思いっきり引いてるけど。

『火拳のｴｰｽとの繋がりは見えて来なかったが、目的は当然、麦わらのﾙﾌｨと同じくｴｰｽ救出であろう』

「…勘違いにも程があるよな、本当に」

思わず溜め息をついた。

ﾊﾞｷﾞｰの幸運のｽｷﾙは半端ないと思う。

いや、本当に。

『蒼(ﾙ･ﾌﾞﾙｰ)、ｾﾝｺﾞｸ元帥が一度、話がしたいと仰っていた。日程は後日伝える』

「今言うか、それ…。まぁ、良い…。ｾﾝｺﾞｸには、出来るだけ速めに、って言っといてくれ」

『…了解した。此方からは以上だ…』

周りにいた奴等は唖然としていた。

海軍上層部と海賊が会談をするなんて前例が無い、と言うより、あり得ないからである。

まぁ、普通はそうなる。

「おい!!!待て海軍!!!」

海軍に向かって怒鳴った麦わら。

「ｴｰｽは必ず助け出す!!!お前ら芋洗って待ってろ!!!」

それだけ言い、電話を切った麦わら。

「首だよ、麦わらさぁん!!!」

「芋洗って煮っ転がしてる場合じゃねぇよ!!!」

「で、何で喧嘩売ってんの、海軍本部に!!!」

新人類達からの突っ込みは麦わらの耳に届いていないようだった。

「んなくだらねぇ事より、聞きたい事がある」

ｸﾛｺﾀﾞｲﾙの一言で騒がしかった甲板の空気は一気に氷点下になった。

「蒼(ﾙ･ﾌﾞﾙｰ)…ﾃﾒｪ、一体何者だ」

僕は、ﾆﾔﾘ、と口角を上げた。