cap43 ページ44
<コード>
「…ジンベエ」
舵を取るジンベエに話しかける。
それと同時に一斉砲撃を浴びた。
「ボン・クレーは何処だ」
爆風が、銀色に輝く髪をなびかせた。
ジンベエは無言を突き通している。
「無駄だとまだ分からんか!!?貴様ら海賊の為に!!!正義の門は開かない!!!」
少将の言葉に慌て始めるバギー達。
「マズイガネーーー!!!アレは開けられんがねー!!!」
「どうすんだ!!?サメ!!!」
慌てふためくバギー達とは対称的に、ジンベエは冷静だった。
「突っ切る!!!」
その言葉とほぼ同時に。
ガコ…、と音をたてて正義の門が開いていく。
「…残ったのか」
「あぁ…一人残った…」
暗い表情をしているジンベエ。
この会話を聞いていたのだろうか。
「本当か!!?それ!!!」
麦わらが乱入してきた。
「彼奴、置き去りにすんのかよ!!!」
「他にも途中倒れた同士達を置き去りにしてきた!!!___また戻ってマゼランと戦う気か!!?」
「さらに犠牲者は増え、時間も失う。誰かが残らねぇと、この門は開けられなかったんだ」
悔しそうに顔を歪めた麦わら。
ジンベエはその表情を見て、静かに子電伝虫を差し出した。
「___まだ繋がっとる…!!!子電伝虫の念波は短い…!!!この門が閉じれば、通信も切れるじゃろう」
子電伝虫を受け取った麦わら。
一斉に周りを囚人達と新人類達が取り囲む。
「ボンちゃん!!!おい!!!聞こえてんのか!!?ボンちゃん!!!」
子電伝虫に向かって叫ぶ麦わら。
「一緒に脱獄するんじゃなかったのかよぉ!!!俺…!!!助けて貰ってばっかじゃねぇかっ!!!」
きっと、聞こえているのだろう。
だが、ボン・クレーは答えようとしなかった。
「ボンちゃん!!!門がもう閉まる!!!…俺達…行くよ!!!」
子電伝虫から。
「ありがとう!!!」
涙が、溢れた。
「麦ちゃん!!!」
ニカッ、と笑った子電伝虫。
「必ず兄貴救って来いやぁ〜!!!」
麦わらの目から、一気に涙が溢れた。
「アンタなら…ザザ…かなら…ザー…ザザ…ブツッ」
「彼奴がいなかったら俺達よぉ…!!!…今頃門の向こうで海の底に沈んでた…!!!」
この時、世界最大の海底監獄インペルダウンより。
脱獄に成功した囚人の数、総勢241名。
インペルダウンの歴史上、最大の失態となるが。
___事件はまだ、終わってはいなかった。
ポートガル・D・エース公開処刑まで。
___あと、4時間。
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作者名:LIMONADE x他1人 | 作成日時:2015年11月23日 11時