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cap29 ページ30

<コード>

微かに灯る命の火。

そこから溢れる微弱な覇気を頼りに、LEVEL5の狼の巣を突き進む。

軍隊ウルフを覇気で気絶させながら、ひたすらにその微弱な覇気の元へと走った。

「此処だな…」

LEVEL5とLEVEL6の中間地点。

インペルダウンにある、“楽園”である。

「ン〜フフフフ、久しぶりねコード。麦わらボーイの事でしょう??」

レタスを頬張るイワンコフ。

電伝虫で此方の様子でも見ていたのか…。

どちらにせよ、僕がする事は一つだけだ。

「…イワンコフ、僕を彼奴の元へ連れていけ」

「ヴァナタが何を考えてるのかは知らないわ…。だけど、海軍はヴァナタをどんな手を使ってでも捕まえようとする筈よ」

恐らくコイツは、僕が異世界人だという事を薄々だが気づいている。

口には出さないが、何となくそんな気がした。

「お前には僕がそんな簡単に捕まるような馬鹿に見えるのか??失望したぞ」

「そんな事は言っていないわ…けど、一つだけ聞いても良いかしら??」

頬張っていたレタスを飲み込み、スイカを丸かじりしたイワンコフ。

食事のマナーというものを叩き込んでやりたい。

汚いのは嫌いだ。

あからさまに嫌そうな顔をしていた僕に気づいたのか、口を拭ったイワンコフ。

そして、瞬時に真剣な目をした。

「___ヴァナタ、一体何者なの??」

静寂が室内を覆った。

たった一秒が、一時間にも思えた。

「___さぁね」

ニヤリとどこか含んだ笑みを見せた。

「世界政府や五老星が危険視するような人物、とだけ言っておこうかな」

「それは麦わらボーイも同じ事。ヴァターシが知りたいのはヴァナタの“正体”よ」

ペロ、と乾いた唇を舐めた。

「___近々、嫌でも知る事になるだろうよ」

僕はイワンコフに向かって吐き捨てた。

知りたいのなら、自分で知れ、と。

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作者名:LIMONADE x他1人 | 作成日時:2015年11月23日 11時

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