CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ22)

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11. aegis ページ22

「どう、調子は」
「──まずまず、ですね。残りあと数種なので、そこから出てくるとは思うんですけど」

毎度の留守番の日、今日は志麻さんが私の見張り番だ。

最近では見張り番というより、私の護衛、の方が近いらしいけど。完全に逃げないと思われている。というより──まあ、私を探しているという形跡がメディアから見つからない為、どこに帰る場所があるのか──という方が近いから、かもしれないけど。

そう、坂田くんが倒れた日に言ったあの言葉。「ニュースに出ていない」、って何のことかと思っていたら。私のことだったらしい。

何故あんなことを言ったのかというと、『Aが探されていないのが、Aがこの世にいないみたいで怖かったから』ということを伝えたかったらしく。

伝えたかった、というよりちゃんといることを確認したかったのだろうか。当時悩んでいた彼は、私と一緒にいることで起こる自らの変化に戸惑いながら、自分のせいで私がいなくなってしまうかも、と思っていたらしい。

今のところ、彼にエネルギーを与えることで特に私に変化が起きているわけではないのだから、そこまで気にしなくてもいいのに、なんて思っていたけれど。

…そして、その坂田くんだ。うらたさんが隠し持っていた、と言うと人聞きが悪いが、うちの研究機関から持ってきたらしい機械を使えば。

坂田くんのお菓子や、私の血液の再分析が可能になる──つまりは、坂田くんがお菓子ではなく別の何かを摂取する事でも生きていけるようになるかもしれない、ということ。

粗悪品の分析と共に、その作業も同時並行で進めていた。現在は粗悪品の毒と私の血液を合わせているから──それの結果待ち、間の時間で坂田くんの方を進めている。

「…なるほど。まあ俺にはさっぱりわからんけど、坂田が楽になるんやったら」
「えぇ。機材が揃っていなかったので今まで作れてなかったんですけど、これがあれば試行を繰り返せばすぐにでも出来るはず、です」

志麻さんにそのことを説明すると、彼は聞けば聞くほど謎、といった表情をしていたけれど。「坂田の菓子がそこにアホ程積まれてたんはそれかあ」、という理解の仕方はしていたらしい。

彼特有の遺伝情報、だろうか。夢魔も各個人で特有のフェロモンが異なる為、それに近いエネルギーとされるものを取り入れないといけないらしいのだ。