奇しくも愛しい【ジョジョの奇妙な冒険】 (ページ9)

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素足な関係ページ9

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ミスタとの約束を果たすべく手配した部屋で受話器を取る。

“お名前をお伺いしても？”

電話口のその言葉にふと、つい先日の夢のことが脳裏にちらついた。  

「ええと… ダフネ」  

ミスタが此方を見遣った。こういった場合には自分の立場を考慮して、偽名を使うことも少なくはないのだが私の使い慣れたいつもの偽名とは違うその名前に興味を示しているようだ。  

「ダフネ・ブランドー」  

ぴくり今度はその眉が訝しげに跳ねる。

  “かしこ…ま” 穏やかな口調で告げる声を最後まで聞き届ける前に取り上げらた受話器は、脱ぎ捨てられたミスタのジャケットの上に音もなく着地する。

  「ダフネ・ブランドーだって？」  

「もうなによ」

ベッドに腰掛けたミスタの胸を軽く押してやるとその身体はやけに簡単にシーツの海へと沈んでいった。  その身体に飛びつくと鼻先と鼻先とが打つかる。

  「今日はダフネになりたかったのよ」

  寝転がってピザを食べて中身なんかない目がちかちかする毒々しい配色のサイケデリックなアニメを眺めて過ごす。  すっかり気を許せる友達のようなミスタになら話してみても良いかもしれない。

彼は、案外この手の話を好む。

  ジョルノにすら黙っている… というよりも同じ境遇に育った片割れのジョルノだからこそ話しにくいのだ。

かあさんと“ふたりだけ”の秘密というのは。